指揮 ジャナンドレア・ノセダ
アリス・紗良・オット(ピアノ)
ラヴェル ピアノ協奏曲
プロコフィエフ ロメオとジュリエット抜粋
前半のコンチェルトについて。
ラヴェルらしい精妙な色彩が描かれた演奏。ピアニストも指揮者も、お互いが寄り添おうという姿勢が見られるため、非常にまとまりが良い。オーケストラの各楽器の旋律が、ピアノと融合しつつも、さりげなく浮かび上がってくる様は、指揮者の曲作りの見事さゆえなのか、それともオケ奏者の掛け合い加減の見事さゆえなのか。
たぶん、両方なのだろう。
反面、ピアノ・ソロのアピール性が乏しい。また、この作品に潜む遊び心も足りなくて、なんだかあまり面白くない。
これは演奏スタイルに関して、単に私の好みの問題だったのだろうか、それとも・・。
他の方の御意見、感想を伺いたいところである。
後半のプロコ。
引き締まった構成感。スケールも大きい。N響の合奏能力の高さを示した名演だ。指揮者ノセダは、いつものように情熱を見せつつも、緊張感を失うことなく、最後まで力強いタクトでリードしていたのが印象的だった。
圧巻は、「タイボルトの死」で見せた、ヴァイオリンパートの目が眩むかのような早業演奏。
いやはや、びっくり仰天。凄いという言葉しかない。
実は私も、昔、大学オケで演奏したことがあって、一糸乱れぬ演奏を完成させるため、合宿で朝から晩まで練習したことを思い出した。今更ながらプロの技術、妙技に脱帽。