クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/6/6 NHK交響楽団

2009年6月6日 NHK交響楽団 NHKホール
指揮 ジョナサン・ノット
庄司紗矢香(ヴァイオリン)
ストラヴィンスキー 管楽器のための交響曲
プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番
ラヴェル 優雅で感傷的なワルツ
ドビュッシー 交響詩 海


 プロコのVn協1番、そしてドビュッシーの海。
 私にとって特別な思い入れのある2曲だ。
 クラシック音楽に目覚め、むさぼるように聴いていた10代の頃、特に大好きな曲だったのだ。だから、耳と目はステージに向いていながら、頭の中で当時の甘酸っぱい思い出に耽ってしまってはハッと気付き、「いかんいかん、演奏に集中しよっ」ということが何度か繰り返された。(次回ブログはこれらの曲についての思い出でも書いてみようかな)

 この日、一番の出来は庄司紗矢香のコンチェルト。庄司さんは3年前にノットがバンベルグ交響楽団を率いて来日した際にソリストとして共演し、プロコの2番を弾いている。「良かったから、じゃ今度は1番やろうか?」ということか。

 ソロとオケの溶け合うかのようなコラボレーションが絶品絶妙だ。
 弦楽器の微かなトレモロ、ハープのアルペジオ木管とのコラボレーション、どれも非常に叙情的である。庄司のソロはいたずらに熱を帯びず、あたかも思索しているかのよう。そういえばヒラリー・ハーンも同様のアプローチをしていたっけ。

 残念ながら、その他の3曲は普通の域を超えなかった。演奏としては非常に整っているが、きれいに音が並んだだけの印象だ。ここでもやっぱりいつものN響の悪い典型が出る。ドビュッシーの海では、どこか寒風が吹く北方の海の印象。太陽の日差しが感じられない。すなわち色彩感が不足している。もし、寒いイギリス出身のノットがあえてそのように試みているというのなら、一つの解釈として許すが・・・。