リヨン。この街を訪れるのはこれで3回目。
フランス第3の大都市でありながら、昔ながらの古いたたずまいを残し、旅人の郷愁を誘う。街中から見上げることが出来るフルヴィエールの丘の上には美しい寺院がそびえ立ち、そこから見下ろすと、二つの川と赤茶けた屋根が連なる市街が大変美しい。
リヨン。美食の街。
この私でさえも知っている有名なフレンチレストラン「ポール・ボキューズ」など、多くのグルメファンを虜にする。
もっとも、過去2回は適当にそこらへんのお店に入り、何が書いてあるか分からないフランス語メニューを眺めてため息を付き、適当に指さしてオーダーしたあげく「イマイチー、残念っ」という結果だったのだが・・・。
リヨン。初めて訪れた1998年が忘れられない。
この年は何の年だったか憶えていますか?
そう、世界のサッカーの祭典、ワールドカップ・フランス大会。準々決勝のドイツ対クロアチアを観戦するためにこのリヨンにたどり着いた。
入手難を極めた観戦チケット、ドイツ屈辱的大敗の衝撃、ホテルを確保できず(まあ高い金出せば確保できたのだが)に夜行列車でパリに戻ったが、狭いクシェットで全然寝られなかったことなど、今となっては懐かしい思い出が尽きない。
さて今回。
ドイツから電車ではるばるやってきたはいいが、オペラが午後4時開演(日曜日のため)なので、ほとんどまともな観光をする時間がなかった。
だけどせっかくの旅行。オペラだけでなく街の息吹も感じたい私としては、せめて足早に旧市街を歩き、丘に登ったりして「いちおうこれで観光したしぃ。主な観光ポイントは既に前回見てるしぃ。」と自らを納得させました。
オペラの鑑賞記はまた次回にするとして、終演後、今回こそはテキトーなレストランではなく、本格的フレンチにチャレンジしようと思い立った。なんたって美食の街リヨンだもんな。
事前調べによると「予約が望ましい」とあったが、「『望ましい』ということは『必須』ということではないわな」ということで、ノー・リザーベーションでいざ出陣!
ところが。
レストランの入り口で足が止まってしまった。ビビッてしまったわけさ。恐る恐るドアを開けて覗いたが、やっぱ一人だとねえ・・。誰か、連れと一緒だったら良かったんだけどなあ。
あえなく断念(苦笑)。
結局テキトーなレストランに入った。メニューはフランス語だけだった。ギャルソンもフランス語しか話せない。
こういう時に頼りになるのが、フランス語で「ムニュ」とか「プラ・ドゥ・ジュール」とか言われる日替わりメニュー。
しかしここでも問題が。
メニューに選択があるのだ。メインディッシュを肉にするか魚にするか、みたいな。ギャルソンが「どちらにする?」と尋ね、必死にフランス語でそれぞれを説明してくれる。わからねえっつうの。
しょーがないので、またいつものテキトー指さし攻撃でかわしたはいいが、やっぱりやっぱり「イマイチー、残念っ」だった。ちっ。 orz
ああ、イタリアのピッツェリアが恋しい。