2019年3月22日 ロサンゼルス・フィルハーモニック サントリーホール
指揮 グスターヴォ・ドゥダメル
2日続けてロス・フィルを聴く。プログラムの性格がまったく異なるので、どういう演奏になるのか、興味津々の公演だったが、実に面白い結果が出た。
ジョン・ウィリアムズであっても、マーラーであっても、答えは「ロス・フィル」だったのだ。
具体的に言うと、高度な演奏技術に支えられ、この上なく上手な演奏だったということ。
要するに、「ジョン・ウィリアムズだろうが、マーラーだろうが、何でも来い。任せなさいって。」と、泰然とした余裕でいっぱいだったのだ。
だが、これら2団体の場合、伝統あるいは老舗団体としての格から来ている感じがするが、ロス・フィルの場合は、とにかく確固たる技術。ハイブリッドの余裕なのだ。
このように書くと、何だかただ上手いだけで、マーラーの解釈としては空虚みたいだが、実は指揮者ドゥダメル自身、ある意味、そうした技術に裏付けされた優美な演奏を前面に押し出しすことを容認していた気がしてならない。
つまり、事前に楽譜を読み込み、勉強して作曲家の意図を探すのではなく、オケを信頼し、オケを鳴らして、そこから出てくる物を注意深く見つめている、みたいな。
いや、本当のところは分からないけどね。
でも私にはそのように聴こえたんだ。
繰り返すが、素晴らしく上手い演奏だった。マラ9を聴いて作品の中身ではなく演奏技術にひたすら感服したのは珍しい現象で、とても興味深かった。
否定ではない。こういうこともあるんだなあという実感。