クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2019/3/21 ロス・フィル1

2019年3月21日   ロサンゼルス・フィルハーモニック(NHK音楽祭)  NHKホール
指揮  グスターヴォ・ドゥダメル
三浦文彰(ヴァイオリン)
ジョン・ウィリアムズ   オリンピック・ファンファーレとテーマ、未知との遭遇より、ジョーズより、ハリーポッターより、シンドラーのリストより、ジュラシック・パークより、インディー・ジョーンズより、スター・ウォーズより   他
 
 
こういう企画、これまでにもあったかもしれない。(ボストン・ポップスとかで、いかにもやってそう)
だけど、このプログラムを「全米屈指のオーケストラの外来公演でやった」というのが偉いというか、あっぱれというか、すごい。指揮者はあのドゥダメルだし。
これはポップスでもなんでもなく、紛れもなくクラシック・コンサートなのだ。
 
実際、ジョン・ウィリアムズの音楽は、たとえ映画のために作られたのであったとしても、そこらに落っこちているようないかにも映画っぽい軽音楽とはグレードが異なる。ドラムや電子楽器が入っていない本格的なオーケストレーション仕様で、クラシック音楽の範疇に入れても遜色がない曲ばかり。
 
そういえば、その昔、高校生の頃、人気映画「スター・ウォーズ」に魅せられ、サントラ盤レコードを買った時、その演奏オーケストラがロンドン交響楽団だったことを知って、びっくり仰天したことを思い出した。「たかが映画音楽に、世界一流のオケを使うなんて、なんて贅沢な!」という驚きだ。
「たかが映画音楽」だなんて、まことに失礼しちゃうわけだが、要するにジョン・ウィリアムズの音楽には世界一流のオケの演奏が必要であり、なおかつ相応しいというわけだ。
 
それにしても、スター・ウォーズ、インディー・ジョーンズ、スーパー・マン(アンコールで披露)といった音楽の、なんとかっこよくて心躍ることよ! めちゃテンション上がった。
曲が親しみやすいし、ロス・フィルの演奏も素晴らしいのももちろんだが、やっぱり映画そのものと自分の青春時代の記憶が重なって、ノスタルジックな感情が支配するからなんだろうな。
 
ドゥダメルの指揮が、これまた音楽に合っていて実にかっこいい。
こういう音楽の演奏にありがちな、ダイナミックに行け行けどんどんのタクトではない。俊敏で刀のように鋭く、的確なコントロールを実践しているのが、見ていて実に鮮やか、惚れ惚れするのである。
これはドゥダメルの特徴でもあるのだが、美しい音楽を振っている時、表情も動きもとても喜びに満ちているが、だからといって決して情感に溺れず、常にクールさを保っている。どうせラテン気質なんだろうという色眼鏡で見ると、彼の本質を見誤る。実直で勤勉さを感じるエリート指揮者なのだ。