2019年2月20日 東京フィルハーモニー交響楽団 東京オペラシティコンサートホール
指揮 チョン・ミョンフン
完成度が非常に高い。東京フィルの合奏能力の秀逸さに思わず唸った渾身、会心の演奏だ。
正直、これほどの仕上がりは予期していなかったので、びっくりしたというのが率直な感想である。
日本の在京オケは概して優秀だが、タクトへの喰らいつき、突き抜け具合、弾け具合、化学反応の燃焼度みたいな部分がどこのオケも皆平均的に弱い、というのが私の見立て。東京フィルは、こんなこと言ってほんと失礼だが、その最たる団体との認識であった。(ホンマすみません)
ベルリン・フィルだって腑抜けの時があるのと同様に、東京フィルだって「やれば出来る」「やる時ゃやる」のである。(ホンマ偉そうにすみません)
火を付けたのは、やっぱり作品と指揮者なんだろうな。
その中でもマラ9は特に燃える。究極の作品なのだ。オケ奏者からすれば、エベレスト山を眼前にした登山家の境地ってとこだろう。
あえて無いものねだりをするとすれば、マーラーがスコアの中で仕掛ける急角度の屈折に対し、俊敏にグイッと鋭く捻じ曲げる力が弱い。だから角が少々丸くなる。ベルリン・フィルとかウィーン・フィルとかは、この捻じ曲げ力、こじ開け力が半端ねえんだ。
すみません、無いものねだりっつうことで。
とにかく、いい演奏聴かせてもらいました。