2017年10月8日 みつなかオペラ 川西市みつなかホール
プッチーニ 妖精ヴィッリ、外套
指揮 牧村邦彦
演出 井原広樹
バレエ 法村友井バレエ団
内藤里美(アンナ)、小林峻(ロベルト)、森寿美(グリエルモ)、桝貴志(ミケーレ)、並河寿美(ジョルジェッタ)、松本薫平(ルイージ)、谷口耕平(ティンカ)、片桐直樹(タルパ)、福原寿美枝(フルゴーラ) 他
前日、新国立の神々の黄昏を鑑賞し、一緒に行った奴と軽く一杯やって、帰宅したのは午後11時半。
関東の人間にとってほとんど馴染みのない川西市(私の周りで、この市を知っている人がどれくらいいるのだろう?)は、なんと驚くなかれ、市民オペラとして自主公演を毎年開催している。
今年の公演が第26回というのだから、びっくり仰天だ。金食い虫であるオペラの制作をこれだけ続けているというのは、市民、行政、スポンサー、すべてからの暖かい理解がないと絶対に無理。ただただ、凄いとしか言いようがない。主催団体には絶大な敬意を表する。
で、だ。
見てくださいよ旦那、今年の演目を。
「妖精ヴィッリ」だぜ!! マジか!? これやるかホントに!?
プッチーニの処女作。しかし、欧州でさえほとんど上演されない秘蔵の名作。私もコンサート形式上演で一度だけあるのみ。舞台上演版は見たことない。
そしてもう一演目が「外套」。ありがちな「ジャンニ・スキッキ」にしないところがアッパレ。
行きますっ!誰が何と言おうと全力で行きます。即決。
このみつなかオペラ、過去の上演記録を見ると、もちろん人気演目が中心なんだけど、「マリア・ストゥアルダ」とか「ラ・ファヴォリータ」なんかもやってる。恐れ入りました。行きゃあよかったなあ。
やっぱりいらっしゃいましたね。お疲れ様です。
ホールに入って驚いた。会場が小さい。
キャパシティはせいぜい500といったところか。まるで小ホールじゃんかよ。
これで毎年自主制作オペラをやっているのか。信じられん。いやあ、ますます頭が下がる。
もうね、細かいことなんか言いません。うるさいこと、言いません。
舞台装置がチャチだとか、「もう少し頑張りましょう」の歌手が若干いただとか、そんなこと絶対言いません。(言ってるじゃんかよ)
十分でございます。満足です。
ヴィッリが聴けたのです。これ以上何を望む必要がありましょうか。だって川西市ですよ!(行った今でも、市の位置がよく分からん)
本当によくやりました。おめでとうございます!あなた方は地方芸術文化発信の鑑です。
(いつの間にか、『です・ます』調になってる)
完成度や総合水準は二の次と言いつつ、一人だけレベルが段違いに優れ、国内トップレベルで語れそうな歌手がいた。
ジョルジェッタを歌った並河さんである。東京二期会会員だが、関西のご出身とのこと。彼女の実力は私ももちろん知っていたが、今回の公演では圧巻。このレベルだと頭一つ抜ける。ブラヴォーを贈ろう。
みつなかオペラ、いいなあ。素晴らしいなあ。なんだか俄然応援したくなった。
で、来年は何やるんだい? 楽しみだなあ。
え? トスカ??
・・・。
ふーん・・・あっ、そう・・。
そりゃようござんした(笑)。