8月12日土曜日。お天気、曇り時々雨。
だが私は、この日に関してはダブルヘッダーにするつもりはなかった。
かといって、ホテルやカフェでじっとしているのもつまらないし、巡り尽くした旧市街を散歩するのもつまらない。
最終的に決めたのが、天候にも関係なく、体力消耗もそれほどない観光「レッドブル・ザルツブルク スタジアム見学ツアー」。
知らない人にとっては「なんじゃそれ??」だと思うが、ザルツブルクを本拠とするプロサッカーチームである。
レッドブルは、日本でも栄養ドリンク、スポーツドリンクとしてかなり認知されてきた世界的な飲料メーカー。近年は、スポーツに積極的に投資している。
オーストリア・ブンデスリーガは、欧州の中ではトップリーグとは言えないものの、その中でザルツブルクは1、2を争う強豪チームだ。ここ数年で急激に強くなったが、もちろんレッドブルの絶大なるスポンサードのおかげである。
そのチームに、一人のヤーパニッシェ・シュピーラー(日本人選手)が在籍している。
リオ・オリンピックの日本代表選手にも選ばれた南野拓実選手22才。チームの大黒柱とまではいかないが、重要な選手の一人であることは間違いなく、人気もかなりあると、スタジアムの担当者が教えてくれた。
スタジアムツアーは事前に公式HPから申し込める。その際、ガイドの言語(ドイツ語か英語)を選択することになっている。もちろん英語を選んだものの、外国人参加者が自分ひとりだけだったらどうしようと、ちょっぴり不安だった。英語の一対一レッスンだけはどうか勘弁してほしい。
当日会場に行ってみると、地元のファンを始めとするドイツ語ツアーが30人ほどに対し、英語ツアーも15人くらいいて、結構盛況だった。心配はまったく不要だった。
サッカースタジアムの見学ツアー自体は、これまでもいろいろな国で何度も参加しており、どこもそれほど大差はなく、新鮮味はない。
それでも、普段は見られない舞台裏(ロッカールームやプレスルームなど)を覗くのは楽しい。オペラファンなら、歌劇場の舞台裏を見学するツアーに参加すれば、当然ワクワクする。それとまったく同じだ。
素晴らしいのは、ものすごく傾斜が付いたすり鉢状の観客席。ピッチまでが近くて臨場感が抜群。
我が埼玉には日本が誇るサッカー専用スタジアム「さいたまスタジアム2002」があるが、傾斜が緩いので、デカい分ピッチまでが遠いと感じる。こうしたすり鉢状スタジアムは個人的にとても羨ましい。