クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2014/3/21 ロンドン3

 歴史と伝統を誇るイングランド・プレミアリーグ。各国の代表級スター選手が集う世界最高フットボールリーグの試合を現地で観戦するというのは、日本のサッカーファンにとっては夢と言ってもいいだろう。
 せっかくロンドンに来たのだから、オペラやミュージカルに加えて試合も観られれば一番良かった。だが、あいにくスケジュールが合わず。
 でも大丈夫。とっておきのエンタテイメント体験がある。それが、クラブが主催するスタジアム見学ガイドツアーだ。
 
 ファンや観光客にスタジアムとその施設を公開しているクラブというのは結構あって、私もこれまでにミラノやバルセロナマドリードミュンヘンアムステルダムマンチェスターといった場所で、試合以外の日にスタジアムに足を運んだことがある。博物館を併設している所も多く、伝説の選手の写真やトロフィー、カップなどが飾られていて、各クラブの栄光の歴史を肌で感じ取ることが出来るのも大きな魅力だ。
 
 今回行ってみたのは、ロシアの大富豪オーナーによる巨額投資によって、瞬く間に世界屈指の強豪にまで登り詰めたチェルシーFC。ここのスタジアムツアーは8年ぶり2度目。
 料金は一人20ポンドで、当日の申込みも可だが、ネット予約すると3ポンド安い。いちおう人数のキャパがあるみたいなので、早めの予約に越したことはないだろう。
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 我々が参加したガイドツアーにはおよそ20人が集まった。
 ガイドさんが参加者に聞く。
「さて、皆さんどちらからいらっしゃいましたか?イタリアから?それじゃユベントスファンかな?ドイツ?バイエルンファンですか?他には?どこのサポーターの皆さんかな?」
 呼応するかのようにあちこちから返事が出てくる。
「私はスイスから」「我々はフランス!」「ロシアから!」「香港!」
 一際デカい声で「コリンチャンス!」「ヴァースコ!!」と、愛する地元クラブ名を誇らしげに叫ぶ陽気なラテン人ども。もちろんブラジル人だ。
 私も「うらーわレッズ!!」と言いたい衝動に駆られたが、思い留まった。誰も知らなくて、すべってしまうのが自明だったからね。所詮我々はフットボールのことをサッカーと呼ぶ国から来てしまったよそ者なのである。
 
 それにしてもツアー参加者の多国籍なこと! 驚いた。ほとんどが外国人で、イギリス人はわずかだった。前回訪れた時はほとんどがロンドンっ子だった。それだけチェルシーというクラブが国際的な人気と知名度を持つようになったということだろう。そもそも選手が多国籍軍団だし。
 
 ガイドツアーは、観客席、記者会見が行われるプレスルーム、選手のロッカールーム、ピッチサイドとベンチ、再び観客席、という順で巡っていく。プレスルームとロッカールームは当然のことながら一般人は普段立ち入ることが出来ない。ツアー参加者だけの特権である。
 そのプレスルームでは、記者会見用のデスクに参加者一人一人を座らせてくれて、ガイドさんが写真を撮ってくれる。代わる代わるデスクに座り、紅潮した顔で記念写真に収まる皆の気分は、さしずめ名将ジョゼ・モウリーニョ監督といったところだろう。
 続いてロッカールーム。アウェイチームとホームチームの設備を露骨に差別化させているのがポイント。部屋の広さ、天井の高さ、ベンチや床の素材、マッサージ機の数、どれをとってもホームチームの方が充実している。当然といえば当然だが。
 
 アウェイのロッカールーム内で、ガイドが説明する。
「C・ロナウドやW・ルーニーといった世界的なスター選手でなおかつ超大金持ちであっても、この薄暗く小さな部屋で着替え、待機しています。ざまあみろですね。」
 でもさ、ていうことは我らがチェルシーの選手も、アウェイゲームに行ったら同様の粗末な扱いを受けるわけでしょ?(笑)
 
 ホームチームのロッカールームでは、各選手のユニホームがずらりと陳列。ファンにとっては壮観かつ垂涎の眺めだ。
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 そしていよいよツアーのハイライト、グランドへの入場。もちろんフィールド内は立入禁止でピッチサイドのみだが、それでも選手と同じ場所に立てる興奮。私が知っている限りにおいて、このようにピッチサイドにまで招き入れてくれるツアーは他にない。再度チェルシーを選んだのはこうした理由による。
 
 グランドへの入場方法がこれまた粋なのだ。通常の試合における選手入場と同様なのである。
 参加者を敵と味方の二列に並ばせ、互いに健闘を誓い合って握手させ、準備運動をさせる。そしてガイドさんがまるで監督のように掛け声をかける。
「準備はいいか?さあ行くぞ!勝つぞ!1-2-3、イェーイ!」
参加者は完全に選手になりきり、緊張感に包まれながらも胸を張っていざ戦いの場へ!
ボルテージは最高潮、熱狂のスタジアムは大歓声に包まれ・・・るはずはなく、場内はガラーンとしてシーン(笑)。ありゃりゃ。
 
 惜しいなあ。せっかく盛り上げてくれたのになあ。
 主催者さんに折り入って頼みがあります。どうか我々のためにBGMで選手入場のテーマ音楽とサポーターの大歓声の音をスピーカーで流してください。お願いしますだ。
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 続いて訪れたのは、ケンジントン宮殿
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 ここもかなり以前に訪れたことがあるが、部屋の展示がガラリと変わっていて、前回の記憶がまったく蘇らない。おまけに建物内の一番の見どころである「キングズ・アパートメント」「キングス・ギャラリー」はちょうど改装中につき閉鎖で見学できず。
 これはひどい。一番の見どころが見られなくて、料金は変わらず。しかもそれが16ポンドもするんだよ。16ポンドといったら約2500円だ。ヤラれたよ。
 我々はタブレットPCを持っていたのだから、予め調べておけば良かったのだよな。失敗。
 
 でも、宮殿のあるケンジントン・ガーデンズで野生のリスが慰めてくれました。
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 お昼はKくんが地球の歩き方を見て、「モダンブリティッシュ料理」として人気があると紹介されているシーフード料理店に行ってみた。お値段はちょっと高め。ビールじゃなくてワインにした。料理のお魚は美味しかった。
 
 ロンドン名物のダブルデッカーバスに乗ってホテル近くまで戻り、その後コートールド・インスティテュート美術館を見学して、ロンドン観光を終了。