遠出をせず、またまた市内をのんびりブラブラ散歩するだけの優雅で長閑な一日。予め訪れようと決めていた観光スポットは「ロッシーニ博物館(生まれた家)」と「市立美術館」だけ。あとは一昨日に続き旧市街や海辺をお散歩し、カフェでくつろぎ、本を読み、お昼に絶品のシーフード・イタリアンを食し、ビールをたらふく飲み、昼間から酔っぱらって、ホテルに戻って昼寝する。完全にぐうたら人間と化しているオレ。
いいのか、そんなので?
いいのである。
慌ただしく動き回るだけが観光じゃないよ。
そもそも現代人は忙しすぎる。朝から晩まで仕事をし、時間を気にし、スケジュールに追われる。ペーザロはそういった束縛から開放してくれる癒しの街なのだ。
ま、要するに、観光スポットがあまりないっつうわけやね(笑)。
あのアニメ顔で人懐っこいロッシーニの肖像が訪れる人を迎え入れてくれる。
さっそくロッシーニに話しかけた。(もちろん、心の中で呟いただけ)
「ロッシーニさんよ。わしはあんたを見直したよ。あんたのファンになったよ。昨日のマティルデ・ディ・シャブラン素晴らしかったねえ。あんたもご満悦だろ?」
さらにつぶやく。
「ロッシーニさんよ。あんたさ、40歳にも満たないうちに作曲活動を終えて、あとはずっと悠々自適だって??高級サロンに出没し、社交に花を咲かせ、うまいもん食いまくりの日々だって??そんでもって名声は永遠か?? 信じられんよなあ~~。いいよなあ~~。うらやましいなあ~~。オレもロッシーニになりたかったなあ・・・。」
ロッシーニの「ケッケッケッ!!」という高笑いがマジで聞こえてきそうだった。