クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2012/8/15 ブルスキーノ氏

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2012年8月15日  ロッシーニ・オペラ・フェスティバル  テアトロ・ロッシーニ
ロッシーニ  ブルスキーノ氏
指揮  ダニエレ・ルスティオーニ
演出  テアトロ・ソッテルラネオ
管弦楽  オーケストラ・シンフォニカ・G・ロッシーニ
カルロ・レポーレ(ガウデンツィオ)、マリア・アレイダ(ソフィア)、ロベルト・デ・カンディア(ブルスキーノ氏)、ダヴィッド・アレグレ(フロルヴィッレ)   他
 
 
ロッシーニ・ランドへようこそ!」
 舞台はディズニー・ランドのようなテーマパーク。入場料を払って園内に一歩踏み入れると、そこは夢と遊び心に満ちたロッシーニ・ワンダーランド。園内のガイドマップや標識が設置されていて、それによると、あっちには「ウィリアム・テル」のアトラクションコーナー、向こうには「どろぼうかささぎ」のアトラクションコーナー。
 
 そしてここは「ブルスキーノ氏」の館。
 序曲の演奏前から、パントマイムが始まる。遊園地の開場時間前。従業員(主役の歌手たち)が三々五々に集まり、普段着から仕事着(アトラクション用の衣装)に着替えて準備し、オープンを待つ。やがて開場とともにお客さんが入ってくると、さっそく「ブルスキーノ氏」を演じ、時にお客さんたちに絡み、カメラを向けられればちゃんとポーズを取ってあげるなどのサービスをしながら、物語を展開させていく。
 
 ナイスなアイデア! 見事な読み替え! そして、面白くて楽しい~!!
 
 演出のテアトロ・ソッテルラネオは、その名のとおり個人ではない。一般的にテアトロと言ったら劇場だが、おそらく「劇団」あるいは「演劇集団」ってところだろう。きっと、様々な知恵をみんなで出し合い、寄せ集め、「ああでもないこうでもない」、「ああしよう、いや、こうしよう」といった感じで創作したに違いない。アイデア満載。いたるところに工夫があり、小細工があり、ネタがある。喜劇(ブッファ)らしく、客席はその度に笑いに包まれる。そして、ロッシーニのウキウキするような旋律とリズム、パターンとも言える例のクレッシェンド・・・。
 
ロッシーニの愉悦に浸る幸せ!至福の時間!
前日に引き続き「なんでロッシーニはこんなに楽しいんだ!?」との思いでいっぱいになる。
 
 何が素晴らしいって、それぞれの歌手たちが「それって演技? ひょっとして、地で行ってる?」と思うくらいツボにはまった動きをしていること。とにかく上手い。
 どうしてそういう演技ができるかというと、それはもう、物語も音楽もセリフも演出の意図も、全て完全に自分の物になっているので、いちいち考えなくても自然に体が動き、表情が作られるのだ。
 おそらくそれは、なまじっかの訓練では習得し得ない。世界の劇場を次から次へと飛び回り、「今度はモーツァルト、その次はヴェルディ・・・」というスケジュールをこなし、ササッと演出助手から手ほどきを受けたらすぐに舞台に出てしまうような売れっ子歌手には不可能な芸当。
 彼らは、ここペーザロでロッシーニの何たるかを十分に学び、薫陶を受けながら舞台に立つ、いわばロッシーニスペシャリストたちだ。きっと、夜中に叩き起こされて、今すぐ舞台に立って歌えと言われても、「ホイホイ」とこなせてしまうのだろう。
 
 特に、カルロ・レポーレとロベルト・デ・カンディアの二人!
 国宝級のナイス。マンマ・ミーア。
 ご両人ともROFの常連さん。彼らにはロッシーニの血が脈々と流れている。
 
 こうしたフェスティバルを支える芸達者たちの至芸を味わうだけでも、はるばるイタリアに馳せ参じる価値があるし、甲斐がある!