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2010/3/21 ノルウェー室内管弦楽団

2010年3月21日  レイフ・オヴェ・アンスネスノルウェー室内管弦楽団  オペラシティホール
レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ)
モーツァルト  交響曲第35番 ハフナー
モーツァルト  ピアノ協奏曲第23番
グリーグ  ホルベルグ組曲
モーツァルト  ピアノ協奏曲第24番
 

 才能豊かな若手の俊英が数多であるヴァイオリン奏者に比べて、どうもピアノの世界では、相も変わらず「ポリーニアルゲリッチアシュケナージツィメルマン」などの古参が幅を利かせているような気がしてならない。
 もちろん優秀な人材はいるが、上記の4人に印籠を渡すほどの奏者はまだ出現していない。
 
 そんな中で、将来のピアノ界を背負って立つ人物として、私はレイフ・オヴェ・アンスネスに期待をしているところである。
 
 実は、私はフランクフルトで彼の演奏を聴いたことがあるのだが、安定したタッチ、絶妙なニュアンス、明晰な音作りで、いたく感心したことを憶えている。観客も大いに湧き、彼が既に欧州楽界で確固たる地位を築いていることをその時知った。
(つまり、ひょっとすると、単に日本人がポリーニなどの知名度の高いブランドから抜けきれられないだけなのかもしれない・・・。)
 
 この日も彼の演奏スタイルは全くぶれるところがない。印象は前回と同様だ。落ち着いていて、安心して身を委ねることが出来る。
 欲を言えばもう少し熱気があるといいのだが、一方で、冷静で硬派であることが彼のスタイルなのであろう。
 
 ノルウェー室内管弦楽団は、派手さはないが、とてもしっかりした団体。アンスネスの音楽とピタリとはまる。要するに、ノルウェーという国、民族性の為せる業なのであろうか?
 
 
 この日、私が会場に足を運んだ理由はピアニストだけではなかった。
 グリーグのホルベルグ組曲だ。
 弦楽合奏ということもあって、普段のコンサートではなかなかお目にかかれない。私にとっては、大学の弦楽合奏で演奏をしたこともある、とても思い出深い曲だ。旋律も美しく、懐かしさもあって、思わずジーンと来てしまいました。