クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

オリンピック(笑)

オリンピックが始まりましたねえ。
テレビでは、「ニッポン頑張れえ~」「メダルは何個??」のオンパレード。話題として採り上げられるのはもっぱらフィギュアスケートと女子モーグル、中学生スケーター。そして、普段ジャンプやスピードスケートなんかまっっったく興味のない人達が夢中になってテレビにかじり付く・・・いやあ、オリンピックってすごいイベントですね。日本人ってほんとオリンピックが好きですね(笑)。

 ここで、欧州を本場とするクラシック音楽を愛好している私の立場で一言言わせていただきたい。
 「スポーツ」と「音楽」というジャンルの違いはもちろん大きく存在するが、最高水準のクラシック音楽芸術を鑑賞するという領域に「ガンバレニッポン!」という意識はほとんど存在しないのである。(少なくとも私をはじめとするクラヲタどもには)

 そりゃ、小澤征爾大野和士の国際的な活躍は実に頼もしいと思うし、ベルリンフィルコンマスが日本人になれば、素直に拍手を送りたいと思う。
 だが一方で、純粋に彼らの芸術的成果によってのみ評価をされるべきだと思う。故に、例え小澤征爾ウィーン国立歌劇場音楽監督になっても、もっぱらそれによってもたらされる演奏が世界最高水準であるかどうかが最大のポイントだ。
 そういう意味において、小澤征爾がウィーンという世界最高のポストを得た時、これまでの彼の芸術的成果からして、役不足と感じた少なからずの日本人クラシック愛好家から「なんでまた??」「それでいいの?」という疑問の声が上がったのは紛れもない事実だし、私もその一人だった。

 何を隠そう私はスポーツ観戦も大好きで、趣味の一つなのだが、以上のとおりの考えの持ち主だから、スポーツにおいてもひたすら「世界最高のプレーが観たい」という欲求が勝る。中村俊輔がスペインの弱小クラブに移籍しただけで、毎週その弱小クラブの試合をテレビで見せられるのに辟易する。どうでもいい。いいかげんにせいや

 今回のバンクーバーオリンピックでは、日本人選手うんぬんじゃなくて、世界最高の選手による世界一の巡る争いを観たい。特に、プロのNHLスーパースターが集うアイスホッケーで、カナダ、アメリカ、ロシア、北欧国による金メダル争奪の凄まじい戦いを観たい。
 だが、そういう渇望は大多数の「ガンバレニッポン!」の掛け声にかき消される。(アイスホッケーなんて、日本じゃまっっったく話題に上がらないんだ。)

 考えてみれば、選手も気の毒だ。
 普段は全く関心のかけらも寄せてくれないくせに、こういう時だけ「頑張れ!」と言われ、勝手にメダルの期待を掛けられ、期待に添えられないとケチョンケチョンに落っことされる。

 はっきり言っちゃうと、我がニッポン国民は、別にキミたち自身を応援しているわけじゃない。キミたちの活躍を通して、自分が気持ちよくなりたいだけなのだ。「ガンバレニッポン!」イコール「オレを気持ちよくさせてくれ!」なのだ。

 だから、さ、あんまり「皆さんの期待に添えられるように」なんてこと考えずに、自分自身の自己ベスト目指して頑張った方がいいと思うよ。

 そんなわけで私は、今大会、深夜に衛星録画放送されるアイスホッケーをひたすら追い求めるつもりだ。