クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

小澤征爾の聴き納め?

「自分の歴史」、「これまで生きてきた証」と言ってもいい、コンサート・オペラ・Myデータベース。これまで足を運んだほぼすべての公演のデータ(日時、出演者、ホール、演目など)をパソコンに記録している。
 
これでデータ検索してみたところ、小澤征爾はこれまで合計32回公演に行っていることが判明した。
指揮者として多い部類に入るが、ゲルギエフ(45回)、ムーティ(43回)、バレンボイム(39回)、インバル(34回)に次ぐ5番目だ。日本人のトップランナー、世界のOZAWAでありながら、5番目というのはどう評価していいものやら。ちょっとよく分からない。
しかも、である。
データベースではすべての公演に満足度で5段階の星評価(あくまでも主観)を付けているのだが、32公演中、栄えある5つ星を獲得しているのは、なんとまあたったの2つのみ・・。その2公演はいずれもメインプログラムが偉大なソロ演奏者の伴奏という有様だ。
 
これこそすべてを物語っている。
偉大な指揮者であることを否定しない。昔も今も日本人で彼以上はだれも存在しないことも先刻承知。
それでも、私にとって小澤征爾は絶対ではない。
「なかなか良い。総じて満足。いい指揮者。でも最高ではない。残念ながら決定打がない。」
これが私の率直な評価なのだ。
「決定打がない」
32回聴いているのに最高評価が2つしか無いのだから、そりゃそうだろう。
録音だってそうだ。世界に轟く名盤がいったいいくつある?
 
だというのに、日本のクラシック界では唯一無二。日本人レジェンド、日本人最高のブランドに、人々は群がり、すがる。
もはや30分しか指揮台に立てないのに、彼の名前を冠した音楽祭、音楽塾を興行する。音楽塾なんか、指揮するかさえ怪しいのに、いかにも彼が指揮するかのように宣伝を打ちまくる。
理由は単純。儲かるから。彼でしか儲けられないから。
もう辟易・・。
 
私はそろそろ、ここらへんで一区切りを付けようと思う。卒業し、おさらばしようと思う。
 
ちょうど一区切りを付けられそうな公演を見つけた。
水戸室内管弦楽団第99回定期演奏会(5月)。メインプログラムはベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。ソロ奏者はマルタ・アルゲリッチ
 
なぜこの公演か。
個人的に最高5つ星を付けた過去2回のうちの1つが、アルゲリッチがソロを弾いたコンチェルト(チャイコフスキー)だったのだ。もうかれこれ30年以上も前の新日本フィルの公演である。
 
豪華な出演者。だというのに室内楽向けホールの水戸芸術館なので、客席数は少ない。本日発売のチケットは瞬殺完売した。私は運良くゲットできた。
 
30回目という一区切りで、ラストとしよう。今回もたった一曲しか指揮しないが、「ここまで十分お疲れ様でした」と心の中で声をかけよう。
あわよくば、3回目の5つ星が付きますように。
アルゲリッチなら、彼女なら、やってくれるかもしれない。私のラストの小澤征爾を飾ってくれるかもしれない。そんな期待を抱いている。