クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2010/2/11 メト・ライブビューイング

 劇場で鑑賞した舞台を改めて映像で見るのは楽しい。DVDなどになって市販されるとついつい買ってしまう。
 生の迫力には叶わないにしても、逆に生鑑賞では味わえない、映像ディレクターが創り出したカメラワークと編集によって、またひと味違った作品として生まれ変わるのだ。生で見たときには気が付かなかった演奏や演出のポイントが、この映像によって発見することも多々あり、思い出と重ね合わせながら楽しむことが出来る。

 ニューヨークでの楽しかったオペラ三昧週末から、一ヶ月が経った。この日、メトの醍醐味である‘スターの饗宴’カルメンを、東京の映画館で再見した。二回目であるにもかかわらず、実に面白かった。

 主役の4人、本当にいいキャストだと思う。歌唱もさることながら、クローズアップの容姿も美しくて、舞台映えならぬ、映像映えがする。ガランチャ演じるカルメンのオーラは相変わらず強烈。出番が少なくてもったいないフリットリの熱唱にも心打たれたし、アラーニャも実に素晴らしい。

 私が見た時に歌ったエスカミーリョ役のマリウス・クヴィーチェンは降板。映像収録日の公演の当日3時間前に代演が決まったというテディー・タフローズ。
 私はこの歌手の名前を聞いたことが無く、「どんなもんじゃい?」という感じだったが、どうしてどうして、これがまた最高のエスカミーリョ。男の色気があり、声も野太く、細身で背が高いので、役にぴったりだ。
 こういう代役出演からチャンスを掴み、世界に羽ばたいて有名になっていくことは珍しくない。ましてや世界のトップ歌劇場メトなんだから、是非彼もそうなっていって欲しいと思う。

 それにしても、カルメンを見るといつも思う。
この曲は本当に美しいメロディの宝石箱だな、と。ビゼーはよくもまあ、こんなに馴染みやすい旋律をふんだんに盛り込んだな、と。

 初心者向けであるが、私はこのカルメン、上記の通り、実に素晴らしい作品だと思いますよ、ハイ。日頃「まったく、いつもおんなじ曲ばっかりやりやがって、このー。」と嘆いているので、友人Oくんなどは全く信じてくれないのですが・・(笑)。

 この日も、そのOくんと連れ立って鑑賞し、その後、私の自宅でガランチャが出演したガラコンサート、同じくガランチャのポートレイトドキュメント番組、クライバーカルメン映像ハイライトなどを観て楽しみました。