2009年11月15日 バイエルン放送交響楽団 サントリーホール
指揮 マリス・ヤンソンス
ブラームス 交響曲第2番
チャイコフスキー 交響曲第5番
指揮をしているヤンソンスの表情が実にいい。
特にブラームスにおいて。オケからはヤンソンスのイメージ通りの音が出てきているのだろう。そういう場面では自然に笑みがこぼれ、腕を振り回さずにじっくりと音楽の流れに身を任せている。
ブラームスの演奏で、同じような表情をしながら指揮をしている人がいたことを思い出す。そう、ラトルだ!
ウィーンフィルのモーツァルトと同様、ベルリンフィルやバイエルン放響のブラームスはもはや極上の定番。こういうオケでブラームスを振れるのは指揮者冥利に尽きるということだろう。
ヤンソンスは世界でも特に素晴らしいオーケストラを二つも自分の物にしている。そりゃあ笑みがこぼれるさ。いいよなあ。オレ、生まれ変わったらヤンソンスになりたい(笑)。
プログラムでは、ヤンソンスの表情に表れたとおりブラームスが特に完成度が高く、洗練されていて素晴らしかった。
もちろんチャイコだって。
ドイツの名門オケを振る宿命で、これまでの来日公演でもブラームス、ベートーヴェン、ブルックナーなどを採りあげることが多かったが、もともとは旧レニングラードフィルでムラヴィンスキーの後継をテミルカーノフと争ったこともあり、チャイコだって得意科目であるに違いない。
1986年、そのレニングラードフィルと来日した時のチャイ5はゾッとするくらい凄まじい演奏だったが、この日も当時の記憶を彷彿させるくらいオーケストラを華麗に鳴らしていた。
ところで、バイエルン放響であるが、なんかオケとしての音色が少し変化したような・・・。
なんて言いましょうか、うまく言い表せないのだが・・・シャシー(形状)もエンジンもタイヤも同じのF1マシンだが、外観をメッキだけ塗り変えてリニューアルさせたような・・・。(スミマセン、変な例えで)
会場で会った師匠のKさんに話してみたら、Kさんも「そうそう、自分もそんな気がした」と答えたので、やっぱり変化があるのかもしれない。楽団員の入れ替えなどがあったのかな??そういえば木管楽器奏者は若い人が増えたような気がするが。
いずれにしても私はこのオケ、だ~い好きだ。個人的にはウィーンフィル、ベルリンフィルに次いで世界第3位だと思っている。(あくまでも個人的意見です)
バイエルン放響の本領を発揮してくれる曲が聴きたいので、コンチェルト要りませぬ。ヨーヨーマもミドリも別の機会で十分。贅沢な公演であることは否定しませんが、チケット代ますます高くなるしね。
これからも二年に一度ずつ(コンセルトヘボウと交互で)来日してもらいたい。是非是非!!