2024年8月31日 周防亮介 ヴァイオリン・リサイタル フィリアホール
プロコフィエフ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
イザイ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番、第6番
バルトーク 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
コンサート、久しぶり。ハーディングの都響以来、3週間ぶりだ。毎年そうだが、8月はヒマ。
その久しぶりのコンサートは、周防亮介さんのリサイタル。埼玉から横浜市青葉区のフィリアホールまではるばるやってきた。フィリアホール、訪れたのは初めてだ。台風の影響が心配だったが、無事開催されたのは良かった。
私は周防さんのことを特別に推しているわけではないが、彼(彼女?)のチャレンジ精神には一目置いている。
パガニーニのカプリース全曲、バッハの無伴奏ソナタ&パルティータ全曲、イザイの無伴奏ソナタ全曲・・・。
こういう、難曲でそびえ立つ絶壁のような作品群を果敢に採り上げ、レコーディングを行い、演奏会を立て続けに行っているのである。
この日も、イザイに加えて、プロコフィエフ、バルトークの無伴奏というチャレンジングなプログラムに挑んだ。きっと、そういう作品に向き合い、真剣勝負するのが好きなのだろう。それと、自分の技術に相当の自信があるのだろう。
その周防さんの演奏は、単なる披露に終わらず、作品を自分としてどのように解釈し、どのように演奏するか、演奏の先に何が見えるのかまで見据えていたのが、さすがプロだと感心した。
特にイザイの2曲は、作品の特徴、個性がはっきりと浮かび上がっていたし、バルトークに至っては、研ぎ澄まされた集中力によって、ステージに小宇宙が形成されていた。
一方、1曲目のプロコフィエフについては、私自身が勝手に「プロコ作品の演奏は、こうあるべき」と思っているものとかけ離れていて、少々残念だった。
演奏家の解釈により、様々な演奏が生まれるのは当然だ。自分の思い込みと違うからといって、否定すべきではない。だから、決して否定もダメ出しもしない。
ただ、個人的に少々残念と思った。まあ、それくらいは勘弁してくれ。