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2024/9/7 二期会 コシ・ファン・トゥッテ

2024年9月7日   二期会   会場:新国立劇場
モーツァルト  コシ・ファン・トゥッテ
指揮  クリスティアン・アルミンク
演出  ロラン・ペリー
管弦楽  新日本フィルハーモニー交響楽団
合唱  二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
種谷典子(フィオルディリージ)、藤井麻美(ドラベッラ)、宮下嘉彦(グリエルモ)、糸賀修平(フェランド)、九嶋香奈枝(デスピーナ)、河野鉄平(ドン・アルフォンソ)

 

パリのシャンゼリゼ劇場と共同制作したロラン・ペリー演出によるプロダクション。

有名で、なおかつ人気のある大物演出家となると、再演の場合(※今回は既にシャンゼリゼ劇場で先行上演済)、助手だったり座付きの演出補だったりが先にやってきて下地を仕込み、仕上げ段階になってようやくお出まし、というパターンはよくあること。
中には、お出ましもせず、助手や座付演出補に完全お任せ、なんてことだってある。


今回の二期会公演では、ペリー自ら早々に来日し、1か月近く滞在しながら、日本人歌手と共に一から演出を施していったのだという。その事自体とても素晴らしいし、歌手たちにとっても貴重な体験だったのではないだろうか。

実際上演を拝見して、一つ一つの演技、所作が生き生きと躍動し、まさに演劇を観ているようで、とても感心した。

そのペリーの演出について感じたことを言うと、「停滞している箇所がない」というのに尽きる。

もちろん、ソロのアリアなど、歌手がじっくりと歌っている場面では、動き的には止まっている。
だが、細かな所作、あるいは装置や照明を使うなどして、感情の表現はきちんと表出されている。
そして、この「停滞している箇所がない」というのは、まさにモーツァルトの音楽そのものに言えること。
つまり、ペリーの演出は、音楽ときっちり連動しているのだ。これは本当にお見事だし、さすがの一言。

一方で、レコーディング・スタジオという舞台設定は、その意図や必然性について、はっきり言ってよく分からなかった。発想、着眼点は面白くて、最初は「おっ!?」と注目したけど、「で? 結局なに??」って感じである。

レコーディング・スタジオでの舞台と言えば、2011年ザルツブルク音楽祭での、R・シュトラウス影のない女」のクラウス・グート演出を思い出した(※)。なんとなくコンセプトが似ている気がした。ペリーは、まさか真似したなんてことは、そんなこと決してないだろうが・・。

(※ 追記:これは私の勘違いでした。クラウス・グート演出ではなく、正しい演出家はクリストフ・ロイでした。訂正させていただきます。)


二期会の出演ソロ歌手たちは、とても奮闘していたし、率直に「上出来でした」と申し上げたい。
特に、デュオなどの重唱やアンサンブルが見事で、重なり合った声が融合して一つの旋律として浮かび上がる様はとても感心した。これって間違いなくしっかりとした練習、リハの成果なのだと思う。


アルミンクの指揮による音楽については・・・「ううーーん」という感じ。
一言で言うと、パッとしない。モーツァルトの輝くような音の粒がピットから沸いてこない。
オケの問題なのか?
いや、仮にオケの問題だとしても、最終責任は指揮者に取ってもらおう。

上に書いた、歌手の重唱、アンサンブルの卓越さについて、もしそれが指揮者のリハにおける成果なのだとしたら、それは褒め称えたいが・・実際はどうなのさ?


最後に合唱について、余計なことを。
二期会公演でありながら、新国立劇場藤原歌劇団を加えた3団体の混成で共同出演していたわけであるが・・・。

いやいや、コジの合唱なんて大した人数じゃないでしょうよ。
3団体でやる必要性、あったの??
それとも単なる連携自体が目的だった??