クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2023/5/4 ラ・フォル・ジュルネ 福間洸太朗 ピアノ・リサイタル

2023年5月4日  ラ・フォル・ジュルネ 福間洸太朗 ピアノ・リサイタル   東京国際フォーラム
ベートーヴェン  幻想曲ト短調、ピアノ・ソナタ第13番
スクリャービン  ピアノ・ソナタ第2番「幻想ソナタ」、幻想曲ロ短調


ラ・フォル・ジュルネが4年ぶりに復活開催!
よかったね、とりあえず。

正直に言うと、私にとってこのイベントはそれほど大きな物ではない。海外に出かけないゴールデン・ウィーク、暇つぶしで「聴きたいプログラムがあるのなら、行ってみるか」みたいな、その程度だ。夏休みと同様、ゴールデン・ウィークは興味をそそられる演奏会がなかなか見つからないからね。

そもそも、このイベントのターゲットは、初心者を含めた広く一般愛好家なのだ。
逆に言うと、ライトな一般愛好家にとっては、生のクラシック音楽を身近に体験できるとても良い機会だと思う。
人気も上々で、上に書いたみたいに暇つぶしで「行ってみるか」みたいに斜に構えていると、いざチケットを買おうとしたら「ソールドアウト!」となることもしばしば。侮れないフェスティバルなのである。

私が行ったこのコンサートも、売り切れ公演だった。
スクリャービンとか、初心者向けじゃないんだけどな・・。
それともやはり、ピアニストの人気のせいだったか!?

福間洸太朗。
今、日本には、活躍が目覚ましい人気の若手男性ピアニストが数多くいるが、彼もまたその一人。
今どきの若者らしく、自身のYou TubeチャンネルなどSNSでの情報発信に余念が無く、なおかつTVに出演したり、CDを制作したり、コンサートをプロデュースしたり、作曲や編曲を手掛けたりと、マルチな才能を発揮している。

マニアの私にとっては、はっきり言ってそうした部分はどうでもよくて、一にも二にも「演奏そのもの」に注目するわけであるが、なかなかどうして、かなり本格的で気に入った。

きちんと真正面からベートーヴェンスクリャービンと向き合っているのがいい。
「幻想」というタイトルの作品をプログラムに集めたその意味を演奏に込めているのがいい。
作品の中から核心部を見つけ、取り出し、しっかりと提示しているのがいい。
演奏者として、聴衆にしっかり音楽を届けようとアピールしているのがいい。

素直に、これからの日本のピアノ界を牽引し頑張ってほしいと思った。