クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

文字どおり、嵐に

今回、事前の予告もなく、いきなり「チューリッヒにやってきた」と旅行記を開始してしまったが、予定していた鑑賞スケジュールは以下のとおりだった。

2月 8日  チューリッヒ
グルック「トーリードのイフィジェニー」

2月 9日  チューリッヒ
ベートーヴェンフィデリオ
ベルク「ヴォツェック

2月10日  ドレスデン
ワーグナーニュルンベルクのマイスタージンガー

以上、3泊の短期旅行で4つのオペラを観る強行軍だった。

さて、私は今、帰国を控え、宿泊しているフランクフルトのホテルでこの記事を書いている。
ドレスデンが最終の滞在地なのに、なぜフランクフルトに泊まっているのか。
申し上げよう。
残念ながら、私はドレスデンに行くことが出来なかったのだ。

原因は、いきなりヨーロッパを襲った猛烈な嵐である。
日本でも台風がやってくると、交通機関が麻痺し、飛行機などが一斉に欠航するのと同様、ここドイツでも飛行機や鉄道が完全に停止してしまったのだ。

まさかこの時期に嵐がやってくるなんて・・・。
日本でニュース報道されたのかどうかは知らないが、イギリスではサッカー・プレミアリーグの一部の試合が中止に追い込まれたというし、ここドイツでも、各地で学校が休校になったりと、大変だったようだ。

ドレスデンマイスタージンガーは、本当に楽しみにしていた公演だった。
ティーレマンが指揮をし、K・F・フォークト、G・ツェッペンフェルト、C・ニールントら豪華キャストが名を連ねた注目公演だった。
新国立劇場東京文化会館との共同プロダクションなので、演出に関して言えば、今年7月に日本でも観ることが出来る。だが、こんなこと言っちゃ悪いけど、キャストに関しては、それこそ「一軍と二軍」である。「さすがドイツ、これぞ本場の本物」という上演が観られるはずだった。

だが、如何せん、天候、自然災害には敵わないのである。

本来なら、残念で、悔しくて、悲しいはずなのに、それほどでもなく、淡々とした気持ちになっているのは、チューリッヒを脱出してドイツに向かうことがめちゃくちゃ大変で、下手したら帰国さえも危ぶまれた事態を、必死に頑張って、なんとか乗り越えることが出来たから。途中から、もう公演どころじゃなくなってしまった。

ということで、悲しいではなく、ホッとしているのだ。

そこらへん、これからまた、もはや恒例としか言いようがない「トラブル旅行記」を書いていくので、ぜひご笑覧いただきたい。

いや、ホント大変だったのよ・・・。