クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

セクハラ問題

またまた超大物のセクハラ疑惑が、クラシック界に激震を走らせた。
今度は、レジェンド、プラシド・ドミンゴである。

それにしても、ドミンゴだけでなく、レヴァインにしてもデュトワにしてもガッティにしても、こうしたことで自ら築き上げてきた名誉が一瞬にして崩壊し、晩節を汚してしまう。もったいないことである。

セクハラは決して良くない。被害に遭われた人は、計り知れない傷を負う。その報いは受けるべきだ。

ただし、随分と前の話、ウン十年前の出来事が突然今になって暴露される、ということに関して、私は何とも複雑な思いに駆られる。

今と昔とでは、モラルのレベルが格段に違う。
例えば、私が小、中学生の時、悪いことをすると、学校の先生から普通にビンタされていた。体罰は間違いなくあった。
また、昔の職場では、飲み会への強制連行、女性へのカラオケデュエット強制、酒席での卑猥な話題など、普通にあった。
年休産休育休がなかなか取れない環境もあっただろうし、あまりに理不尽なことだってあっただろう。

時代とともに、社会全体で、個々の人格を尊重し、モラルを改善する風潮が整っていく。
今、上に書いたようなことが起こったら問題になることは、多くの人が認識しているし、決してやってはいけないとみんな厳しく律している。(それでもやる奴はいるだろうが・・)

セクハラは今も昔もあってはならない事件だが、昔の当事者の認識は今よりずっと甘かったに違いない。
そうした昔の至らなかったことを、今の基準に照らし合わせて今訴えられることについて、何とも後味の悪さを感じるのだ。

繰り返すが、セクハラ行為は許されるべきじゃないし、「昔の話なんだからいいじゃないか」と言っているわけでもない。
ただ、こうしたニュースについて、なんかスッキリしない気分になり、ため息がでてしまうということだ。

もし私が小学校の時に生徒にビンタをしまくっていた先生のことを、今、「体罰だ!」といって教育委員会に告発したら(証拠はないが、おそらく証言なら揃えられるだろう)、果たして取り合ってくれるのだろうか??