ファビオ・ルイージについて、前回のブログ記事で「ルイージほどの指揮者なら、今後、更にビッグなオケ、一流歌劇場からお声が掛かる可能性も捨て切れない」と書いた。
ふと思った。
全然意識していなかったが、彼はもしかしたら「シャイーの次」候補なのだろうか?
言うまでもなく、シャイーの次とは、つまりスカラ座のポストのことを指す。
スカラの場合、バレンボイムがそうだったように、何が何でも純正イタリアン、みたいなこだわりはないと思われる。世界的なビッグネームの中からチョイスすることが可能。それが許される上級の団体だ。
それでも、この劇場が「イタリアオペラの殿堂」であろうとするのなら、母国出身のシェフが待望であり有望であることは、間違いないだろう。
で、もしそうなら、ルイージは確かに有力候補の一人だ。
ルイージを含め、現時点で優勢なのは、次の3人ではなかろうか。
ファビオ・ルイージ
ジャナンドレア・ノセダ
ダニエレ・ガッティ
あくまでも、現時点で。
ガッティの場合、例のセクハラ疑惑が果たして尾を引いているのかどうか。
あれさえなければ、最右翼だったはずだが・・。
ノセダは、「マリインスキーの首席客演や、BBCフィル、ワシントン・ナショナル管などのシェフを歴任」という異色のキャリアが、良く言えばインターナショナル、悪く言えばアウトローっぽい。果たして保守的なファンや専門家たちの評価はどうなのだろう。
そして、ルイージ。
彼も、どちらかというと軸足がドイツ系にあるのが気掛かりではある。せっかくフィレンツェ歌劇場のポストを手に入れたのに、あっという間に決裂してしまったというのも、若干印象が悪い。
なんだかこうして分析してみると、3人ともイマイチ決定打に欠けると言えなくもないな(笑)。
ちなみに、ガッティとノセダがミラノ出身、ルイージはジェノヴァ出身。
それが関係するのかどうかは、全然分からないけど。
ルイージが務めたチューリッヒ歌劇場の音楽監督をノセダが引き継いだという縁もある。
まぁ、「スカラのネクスト」について語るのは、正直、気が早いって言えば、そのとおり。シャイー政権が長く続く可能性だってある。
一方で、監督の人事というのは、一寸先は闇、何が起こるかわからない。
ある意味、魑魅魍魎の世界だからね。