クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2008/12/14 チューリッヒ2

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

 本日のメインイベント、トリスタンとイゾルデ。旅行前半のハイライト。「チューリッヒでトリスタンを聴く」ということで、それなら是が非でも訪れたい場所があった。

 ワーグナーは借金や革命失敗などによる逃亡の果てに、ここチューリッヒにて富豪オットー・ヴェーゼンドンクにかくまわれた。チューリッヒ湖畔から少し丘を上がったところに、旧ヴェーゼンドンク邸宅及びワーグナーの隠れ家がある。
 どうしてトリスタンといえばこの場所かというと、ワーグナーはヴェーゼンドンク夫人と不倫に陥り(ワーグナー自身にもこの時に妻がいたにもかかわらず)、このただならぬ関係が「トリスタンとイゾルデ」作品の誕生に影響したと言われているからだ。(ワグネリアンにとっては常識ですね。)

 現在、旧ヴェーゼンドンク邸はリートベルク博物館となっているが、私のように博物館を目的として訪れるのではなく、ワーグナーゆかりの場所として訪れるファンはかなり多いのではないだろうか。

 (上記の写真、一番上がヴェーゼンドンク邸(リートベルク博物館)、二番目がワーグナーが住んだと言われるヴィラ・シェーンベルク。)

 リートベルク博物館は東洋、中近東、北南米などの美術を集めた民族博物館。ちょうど日本の浮世絵展を特別展示していた。(写真三番目)見学したが、まあ、あれだ、興味がある人にしか面白くない物ばかりで、私にとっては□仝∞▽$Σ。(笑)

 ワーグナーが住んだヴィラ・シェーンベルクは内部非公開であったが、外観の写真を撮り、手を合わせて(神社じゃないっつうの)、本日の公演が素晴らしいものになるよう祈念した。

 丘を下って湖畔までの間に、ワーグナー通りを発見した。(写真四番目)


 開演は午後4時。軽く仮眠を取った後、いざ出陣。ホテルは市の中心部からほんの少し離れているが、すぐにある停留所からトラムに乗れば、そのままオペラハウス前まで直行約12分。自分では余裕を持ったつもりで、15時15分にホテルを出る。
 ところがとラムは市内中心部に到着するとそこでストップ。乗客全員が降車した。ゲゲッ!

 降りてみるとなんと・・・市の中心部は市民マラソン大会の真っ最中で、道路が全面遮断されていた。確かにあちこちにドイツ語で警告の看板がある。でも、そんなのドイツ語の分からない一般観光客は気が付くわけないわな。

 とにかく何千人というランナーがものすごいスピードで走っている。うぉー、すげー。

 圧倒されてしばらく呆然と眺めていたが、ハッと我に返る。オペラハウスまで、とにかくここからは歩くしかない。ざっと計算すると徒歩15分。時計を見ると現在3時35分。

焦らない、焦らない、落ち着け、大丈夫、間に合う、余裕・・・。

 自分に言い聞かせながら、応援している人混みをかき分けつつ、やっぱり焦りながら黙々と歩いて劇場を目指す。それにしても本当に海外旅行は思わぬハプニングがあるものだ。

 トリスタンのレポは改めます。