今、世界のサッカーはFCバルセロナを中心に回っている。その強さは圧倒的で、完全に一頭図抜けている。常勝軍団。無敵と言っていい。「史上最強チーム」という評判は誇張でもなんでもない。私だってそう思うもん。
だがなあ。あまりにも強すぎる。勝つことが当たり前なのだ。そういうのって、いかがなものかと思う。「どこが勝つか?どっちが勝つか?」を固唾を飲んで見守り、勝利を念じて応援するのがスポーツ観戦の醍醐味だと私は思うのだが・・・。
例えば、スペイン国内リーグ「リーガ・エスパニョーラ」。20チームあるが、そのうち15チームは、リーグ優勝のチャンスは‘完全に’ない。ゼロ。3チームくらいは奇跡の可能性が5%くらいある。だが、‘ほとんど、まず’ない。
優勝の可能性があるのはバルサとレアルのたったの2チームに限られる。バルサとレアル以外のその他チームのシーズン目標は、せいぜい上位進出してチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの出場権を狙うくらいしかない。口にこそ出さないが、クラブ幹部も選手もサポーターも心の中で「優勝なんて無理」と諦めている。
本当にそれでいいのか?スペイン人よ。つまらないとは思わないのか?ワシはつまらんと思うぞ。
先日行われた最大の決戦‘エル・クラシコ’レアル・マドリード対FCバルセロナ。私はレアルの勝利を祈った。バルサを止められるのはもうレアルしか無いのだ。今シーズンは世界一の名将と言われるモウリーニョ監督がチームを更にレベルアップさせ、ついにバルサに対抗しうるチームを築きあげたと言われている。期待が高まった。が・・・。
レアルホームだったにもかかわらず、1-3の完敗。あ~あ・・・。
多くの日本のサッカーファンにとっては、こんな楽しみなことはないだろう。だが、テレビ観戦者にとってもスタジアム観戦者にとっても、ゲームを見る目というのは「どちらが勝つか?」ではなく、「バルサがいかに華麗なプレーで魅了しながら勝つか」しかない。
それってさあ、サーカスを見に行くのと同じではないのか?メッシさえ見られればそれで満足なのか?日本人よ。
偏屈な私は、あくまでも「南米王者と欧州王者のどっちが勝つか?」に注目したい。
頼む、サントス。バルサを止めてくれ。「試合というのはやってみなければ分からない。勝負はどちらに転ぶか分からない。」を世界に証明してやってくれ。
じゃ、そういうことで、私もこれから決勝戦の地である横浜に行ってきます。
おそらく私の儚い願いはもろくも崩れるであろうが、それでもその可能性を信じよう。それこそがスポーツ観戦の本来の姿だと思うから。少なくとも私はサーカスを見に行くのではないのだ。