クラシック、オペラの粋を極める!

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2002/5/1 マドリード3

スタジアムに到着すると、そこにはごった返すかのような人、人、人・・。これからスタンドに入場しようとする観戦者で溢れかえっていた。
規制線が敷かれているわけでも、警官や機動隊が入場を制止しているわけでもない。見渡した限り、いつもの試合前の光景で、中止の形跡、様相はまったくなかった。

私は思った。
テロよりも、試合を中止させることで生じる群衆の混乱の方がよっぽど危険、という主催者判断が働いたのではないか。

もちろん「テロには断じて屈しない」というアピールもあっただろう。
だが、それ以上に、人々にとって、レアル対バルサの世紀の対決の方が遥かに重要、ということなのかもしれない。

こちらの写真の御仁を見てほしい。

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この人にとって、レアル・マドリードは命であり、人生のすべてだ。その忠誠は死ぬまで続く。
おそらくこの人の体内には、赤ではなく白い血が流れている。
試しに聞いてみるといい。
「テロの危険を避けて試合観戦を断念するのと、それを承知でエル・ブランコ(※レアルの愛称)の試合を見守るのと、どちらを選ぶ?」と。
「くだらん質問をするな」と一蹴されるだけだろう。

爆発が起きた現場は、本当にスタジアムのすぐそばだった。
遠く離れたところから現場の様子を伺ってみると、ちょうど燃やされた車が移動車によって片付けられようとしていた。(写真で見えるかな?)

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危険が完全に回避されたのかどうかは分からない。
だが、少なくとも、ここに集っている人たちは、これから行われるゲームのこと、そして宿敵バルセロナをいかに叩き潰すかということで、頭の中がいっぱいになっている。
ならば私も、警戒はしつつ、だからといって過度に緊張することなく、大いなる期待を抱きながらこの人たちと一緒にスタジアムの中に進んでいこう。
世界最高のサッカー、究極のフットボールが、そこで手を広げて待っているのだ。