クラシック、オペラの粋を極める!

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2011/7/17 都響

2011年7月17日  東京都交響楽団  サントリーホール
指揮  アラン・ギルバート
ブラームス  ハイドンの主題による変奏曲
ベルク  ヴァイオリン協奏曲
 
 
 早起きして見てしまった。いやあ、なでしこジャパンすごいっすねえ。世界一・・・マジかよ。サッカーの大会で世界を制するなんて、本当に信じられない。こういう明るいニュースはいいね。
 
 都響の話に戻そう。
 全席完売のコンサート。完売だというのに実際は空席がチラホラなんてことはよくあることだが、この日は本当によく埋まった。これだけの満員御礼は久しぶりだ。
 
 ところで、この公演がなんでこんなに売れたのだろう??
 ニューヨークフィルのシェフ、アラン・ギルバートは非常に良い指揮者だと思うが、その知名度だけで完売にさせてしまうほどの人気があるとは思えない。三連休の中日というお日柄が良かったのか、それともブラームス1番という人気曲が入っていたからか??
 いずれにしても、満員の聴衆を迎えてオケも俄然やる気が充満、ギルバートももともと熱血漢なので、相乗効果を得て全体的に熱気溢れる公演となった。
 
 一曲目のハイドンバリエーションが良かった。どれくらい良かったかというと、なんと涙が出てきちゃったくらい良かったのである(笑)。木管楽器と弦楽器の掛け合いが絶妙。変奏を繰り返すごとに音楽がどんどん展開し、やがてクライマックスに向かっていく雄大な音楽づくりが素晴らしかった。ギルバードもオケの音を注意深く聞き、バランスに細心の注意を払いながら、ブラームスの良さを最大限に引き出していた。
 
 二曲目のベルクも良かった。フランク・ペーター・ツィンマーマンて、こんなに熱く演奏する奏者だったっけ?体を大きく振ってダイナミックさを表現。それでいて理性は決して失われない。ものすごく難しくて上級者向けの曲だが、この日の演奏は馴染みのない人でも楽しめたのではないだろうか。
 
 これらの前半プログラムに比べて、メインのブラ1はかなり濃厚な味付けで、自分の好みではなかったが、ギルバートの個性はよく出ていた。
 
 全てのプログラムを聞いて、ギルバートがなぜ‘Orchestra of the America’であるニューヨークフィルの音楽監督に就任できたかを改めて理解することが出来た。彼は風を作ることが出来る。そよ風も突風もお手の物。やがてその風を渦に巻き、熱狂を産み出す。この日のサントリーホールもそうだった。これぞギルバートの特殊能力だ。