2021年12月4日 NHK交響楽団 東京芸術劇場
指揮 ガエターノ・デスピノーサ
小林海都(ピアノ)
ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
バルトーク ピアノ協奏曲第3番
シェーンベルク 浄夜
元々、山田和樹氏が振る予定だった公演。
外国人指揮者がダメになったので日本人指揮者に変更、というのなら分かるが、なぜか日本人から外国人への変更(笑)。
まあヤマカズさんは欧州に拠点があって、そこから日本にやって来るからねえ。
今回の変更により、プログラムも一部、歌曲がコンチェルトに変更になった。(当初予定だったシュトラウスの「4つの最後の歌」は、山田氏が振ることになったB定期プロに移動になった。)
指揮者が変わろうが、真ん中のプログラムがシュトラウスからバルトークに変わろうが、私にとっては大した問題ではない。本公演で私が聴きたかったのは、ハイ・バリと浄夜。両曲とも生では久しく聴いていない。だから、この2曲が入ったプログラムなら、この2曲のプログラムに変更がないのなら、正直、別に誰が振ろうが私はチケットを買ったのである。
ついでに言うと、バルトークへの変更も、私にとって良かった。コンチェルト3番も久しく生で聴いていなかったのだ。
さて、指揮者のデスピノーサ、初めて聴いたのであるが、非常に好印象だ。
テクスチュアを明晰に浮かび上がらせるのが巧みで、音楽が非常に造形的、立体的である。構成をしっかりと作っていることが瞭然なのだ。イタリア人なのに音楽がカンタービレっぽくないのは、ヴァイオリン出身で、2003年から2008年までシュターツカペレ・ドレスデンのコンサートマスターを務めたという経歴があるからだろうか。
(その期間にコンマスをしていたということは、SKDの来日公演、例えば2004年のハイティンクとのブル8や、2007年のルイージとのマラ2といった公演で、もしかしたら来日していたのだろうか?)
N響との共演は今回で4回目らしい。つまり、N響側にも「機会があればまた共演したい指揮者」の一人に挙がっているということだろう。
彼はこの後、当初予定の帰国を延ばし、年末の大阪フィルの第9に代演することが決まっている。ジョナサン・ノットもユベール・スダーンもそうだが、たまたま運良く11月中に来日した外国人演奏家は、何かとコンビーニエントでありがたい(笑)。