指揮 ワレリー・ゲルギエフ
ネルソン・フレイレ(ピアノ)
ブラームス ピアノ協奏曲第2番
天下のアルゲリッチと組むくらいだから、当時からそれなりの実力者だったとは思うのだが、その時は失礼ながら女王様の提灯持ちかと思った(笑)。ひょっとしたら愛人関係なのか?とも。
今回初めてじっくり聴いたフレイレのピアノはいい感じに円熟し、味わい深いブラームスの音楽に程良くマッチした演奏だった。オーケストラとよくブレンドしていて、コンチェルトではなく一つの管弦楽曲という趣だった。技巧を誇示せず、出しゃばらず、協調し、音楽を引き立てる。さすがはアルゲリッチが認めたアンサンブルパートナーであった(笑)。
しかしこの日のハイライトは誰が何と言おうとタコ8に尽きる。
比べちゃいけないのは分かっているが、前々日に聴いた東響とはオケの響き方が全然違った。音が重くて暗くて冷たいのだ。なんだかんだ言ってもロシアのオケだよなと実感。ショスタコはやっぱりこういう音で聴きたい。
ゲルギエフであるが、音楽をあれこれといじっている感じはしない。ただ単に再現しているだけにも見える。それでも有無を言わさない圧倒的な説得力があった。
これってやっぱりゲルギーマジック??
だとすると、魔法の杖はあの爪楊枝か??(笑)
演奏後の静寂の時間は美しかったな。誰も拍手をフライングさせることができなかった。どうやら観客の方も魔法をかけられてしまったようだった。