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ウィーン国立歌劇場来日公演情報

来日中のロイヤル・オペラ・ハウス公演を主催している日本舞台芸術振興会NBSが、来年のウィーン国立歌劇場の来日公演を速報で発表した。
時期は2025年10月。演目は「ばらの騎士」と「フィガロの結婚」だそうだ。

2021年に来日の予定だったがコロナで中止となり、今回9年ぶりの開催実現ということで、待望のニュースに心が躍ったファンの方も決して少なくないに違いない。

残念ながら私は、その演目を見てがっかり、うなだれてしまった。
また「ばら」だよ。
また「フィガロ」だよ。
やれやれ・・・。

「ウィーンだったら『ばらの騎士』でしょ」、「ウィーンだったら『フィガロの結婚』でしょ」みたいな、安易なド定番の押し付け。
「それをやっときゃ、どうせお前ら喜ぶだろ?」みたいな舐められ方。

呆れるというより、腹立たしく、ムカつく。


かつて、ウィーン国立歌劇場の来日演目として、「ヴォツェック」、「ボリス・ゴドゥノフ」、「マノン・レスコー」、「ランスへの旅」といった作品が採り上げられたことがあった。

どうしてこういう作品が来日公演の演目として採り上げられたのか。
それは、劇場が、あるいは音楽監督が、「この作品を是非日本で上演したい!」という自信満々の意欲を日本側に示し、勝負を挑んできたからだ。

歌劇場の場合、年に数本、ニュー・プロダクションを制作する。
予算を注ぎ、音楽監督自らが指揮を担い、新制作に相応しい歌手が招聘され、リハーサルを綿密に重ねた上で、世に問う。
歌劇場にとって最も力を注ぐのは、本来はこうしたニュー・プロダクションなのだ。

ところが、近年の来日公演では、劇場側が「何をやりたいか」ではなく、受け入れ側の「定番を是非やってちょうだい」がすんなりとまかり通ってしまう。その際「それ、以前もやりましたよね??」という指摘は、「どうでもいい、些細なこと」の一言で片付けられてしまう。

これは、劇場の問題というより、そうした安易なド定番を待ち望む我々の問題である。
定番を鑑賞し、「さすがだよね」、「やっぱりウィーンだよね」と言って安心し、喜ぶ。

完全に足元を見られているのだ。もう本当に情けないったらありゃしない。


・・まあいい。
好きにすればいい。イヤなら行かなければいい。それだけのこと。

ということで、オレはパス。

ただし、今後のキャスト発表を受け、大逆転の心変わりがある可能性は否定できないことは、スマン、あらかじめ言っておく・・・。