クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2023/10/20 ローマ1

午前9時10分、ローマ・フィウミチーノ空港に到着。入国審査、市内(テルミニ駅)への移動、ホテルへの移動とチェックイン手続等、なんだかんだで時間がかかり、観光をスタート出来たのは正午。天気は曇、気温は約27度。

久しぶりのローマである。20年ぶりくらいだろうか。

私の場合、オペラやコンサートなら、公演概要をデータベース化しているので、いつどこで何を聴いたかについて、すぐに検索できるようになっている。
逆に、オペラやコンサートが無いと、旅程の記録がほとんど残らず、途端に詳細があやふやになる。ローマだと、実は観光やサッカー観戦目的で訪れている回数の方が遥かに多いのであった。

見どころ満載の観光都市ローマだが、今回の滞在日数はわずか二日。主なポイントはもう過去にだいたい巡っているが、とにかく久しぶりなので、行ったことがある・ないに関わらず、一旦リセットして行動計画を組み立てた。
ただし、いわゆるお上りさんが行くような定番、コロッセオやスペイン広場、トレヴィの泉、真実の口などには行かない。今回の観光にはテーマがある。それが何なのかについては、もう少し下の方で明かす。


街歩きの起点はヴェネツィア広場から。ローマのランドマーク・モニュメント、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂がそびえ立っている。

裏側の先にある階段を登ると、ミケランジェロが設計したというカンピドーリオ広場に辿り着く。

この広場の裏手に、有名な古代遺跡フォロ・ロマーノを望む絶景テラスがある。
フォロ・ロマーノコロッセオと並びローマを代表する観光ポイント。入場料を払って見学することも出来るが、こうしてテラスから眺めるだけなら、手っ取り早くてしかもタダ(笑)。

ヴェネツィア広場に戻り、北側にあるドーリア・パンフィーリ美術館を見学。
ローマの名門貴族であったドーリア・パンフィーリ家の宮殿内に、プライベート・コレクションがこれでもかというくらいに並ぶ。

おそらく所蔵作品で最も有名なのが、カラヴァッジョ3部作、「エジプトの逃避途上の休息」、「マグダラのマリア」、「洗礼者ヨハネ」。

貴族宮殿らしい絢爛豪華な室内装飾も目を見張る。
鏡の間。ベルサイユ宮殿かっつうの。

古代ローマ建築によるパンテオン。世界最大の石造り建築だそう。

内部にはラファエロの墓や、建国の父ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の墓などがある。
見学しようと思ったら、なんと、いつの間にか「有料」になっていて、しかも長蛇の列だったので、あっさりと断念。

サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会。

外観はそれほどでもないが、教会内部は実に美しい。
そして貴重な美術品の宝庫。フィリッピーノ・リッピのフレスコ画で埋められた礼拝堂、ミケランジェロの彫刻、フラ・アンジェリコの「聖母子像」、そしてお墓も。

サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会。絶対に訪れようと思っていたポイントの一つ。

ここで今回のローマ観光のテーマを明かすが、すばり「カラヴァッジョ」。
ローマで活躍した画家。独特の写実リアリズム、光による明暗法を駆使した作風。そして、殺人を犯しての逃亡生活、38歳の短い生涯・・・。
劇的な作品の数々と数奇な運命、カラヴァッジョは私を魅了して止まない。

サン・ルイージ・デイ・フランチェージには、3部作「聖マタイと天使」「聖マタイの召喚」「聖マタイの殉教」が収められている。これを見たかった!

サンタゴスティーノ教会。
カラヴァッジョの「巡礼と聖母」。いやー、もう涙が出ちゃうね。



こうして幾つかの主要な教会を巡ったが、これらはなんと入場無料。ほとんど美術館みたいなものなのに。
これが、同じく街全体が美術館のフィレンツェだと、有料の教会が多い。ローマの太っ腹さを感じ入るし、お財布にも優しくて嬉しい。

なお、礼拝堂の祭壇を飾る巨匠たちの絵画について、教会内はとても暗いので、そのままだとじっくりと鑑賞することが難しい。
ところが、こうした作品については、お金を払うことで礼拝堂内をライトアップさせることが出来る。50セントか1ユーロのコインを料金ボックスに投じるのだ。
教会を訪れる観光客の中には、自ら進んでお金を出す人もいれば、他人がライトアップさせると、ラッキーとばかりに寄ってきて群がるちゃっかり派もいて、なかなか面白い。
私も、いくつかの作品については、お金を出しましたよ。だって、これを見るために来ているんですからね。


本日の観光はここまで。
初日はコンサート・オペラ鑑賞の予定が入っていないので、多少の疲れはあったが、思い切り観光しまくった。
コンサート・オペラが入ると、どうしても早めに切り上げ、ホテルで休み、体調を整える必要がある。私の旅行はそういう旅行ばかりだが、観光だけでも絶対に楽しいと、今更ながらに思う。