朝起きてテレビを付けると、いきなり気分が悪くなるニュースが飛び込んできた。
ストだ。
ドイツ国鉄DBのストライキらしい。それとは別にフランス・パリでもゼネラルストライキが起きている・・・。
テレビでは、閑散とした駅構内や、プラカードを掲げた労働者の様子が写し出されている。フリップで特に気を付けろと警告された都市の中に、今滞在中のニュルンベルクも入っている。また、同様に交通機関がストップしているパリの様子の映像も流されている。
頭が痛くなってきた。吐き気を催してきた。
私の欧州旅行は、こうしていつもストライキに悩まされる。楽しみにした公演がキャンセルになったこともある。日本への帰国が遅れたことだってある。正統な労働者の権利とはいえ、労使交渉が必ず妥結する日本に比べてなんて未熟かと思う。
本日はこれからフランクフルトに移動だ。既にお昼の電車を予約し、切符を買ってある。そしてその翌日は、今度はパリへ向かうのだ。
とにかく、朝食を取ることそっちのけでホテルを飛び出し、駅に向かった。テレビニュースでは詳細が分からない。ドイツ語が分からないのだ!
駅構内の運行を示す電光掲示板を見ると、電車は動いているようだが・・・
係の人に聞いたところ、「現在間引き運転中。午前10時にストは解除になります。ただし、その後も遅れなどの影響が出るかも知れません。」と英語で説明された。
安心していいような悪いような、中途半端なお知らせだ。
とりあえず、ホテルをチェックアウトし、指定の電車時刻までの間、観光で、ドイツ国鉄DB博物館に行った。なんでも、ドイツで初めて国鉄が敷かれたのがここニュルンベルクだそうな。それにしても、ストライキに腹立てながら、その国鉄の博物館を訪れるなんて、自分でも「なんだかなあ」と思った。
結局、ストはきちんと解除されたみたいで、自分の電車は予定通り、遅れも生じなかった。ここらへんはさすがドイツだ。これがフランスやイタリアだったら・・・。
午後5時半にフランクフルトで、待ち合わせた師匠のKさんと会った。お互い旅慣れていても、海外は何が起こるか分からないので(まさに今回のスト騒動のように)、約束通りに会えると「おお!」と感動する。
Kさん、なんと、日本を旅立って本日午後にフランクフルトに到着したばかり。そしてこれから一緒にオペラを見るというのだ。もう、本当に師匠はすごいとしかいいようがない。もっとすごいのは、日本に帰国したその日にも藤原歌劇団のラ・ジョコンダを見ようというのだ。すごいっつうか・・なんていうか・・呆れる?(笑)
Kさんも、到着早々「ドイツ国鉄がストなんだって?」「パリもストらしいよ」と語った。知っていたようだ。とにかく、こればっかりはもう運を天に任せるしかないですね。
フランクフルトオペラのアラベッラのレポを次回に。