この日はハイデンハイム・アン・デア・ブレンツという市に移動するが、その前にもう少しシュトゥットガルト観光の続きを。
自動車の街として名高いシュトゥットガルト。ここには、あの「ベンツ」と「ポルシェ」の両本社がある。ドイツを代表する2つの高級自動車メーカーが、同じ市に本拠を構えているのだ。
2012年5月、私はメルセデス・ベンツ博物館を訪れた。今回は、もう一つの方に行ってみる。
ちょうど私の年代のオヤジ連中は、「ポルシェ」と聞いただけで軽い胸騒ぎを催す。
1970年代、週刊少年ジャンプに連載された漫画「サーキットの狼」の影響で、日本にスーパーカー・ブームなるものが沸き起こった。当時の小・中学生のガキどもは、まさにド・ストライクでハマっていた。私もその一人だった。
圧倒的に人気があったのは、イタリアのフェラーリとランボルギーニだったが、ポルシェはこれに対抗する存在。「ターボ」の意味もよく理解していないのに、「ターボエンジン搭載だぜ!」なんてほざきながら憧れてたっけな(笑)。
実は、厳密に言うと、ポルシェ博物館は以前に行ったことがある。もう随分と前で、20年以上昔のこと。
正直に言って大したことない、意外にショボい展示内容だった。
ところが、その後、博物館は改装し、2009年にリニューアル・オープンした。ならば行ってみようじゃないか、というのが今回の訪問の動機。
ということで、やってきましたポルシェ博物館。
シュトゥットガルト中央駅から近郊線Sバーン(S6)に乗り、4駅目。Neuwirtshaus/Porscheplatz駅のすぐ目の前、徒歩0分の場所に近代的な建物がそびえ立つ。
隣には工場もあり、まさにポルシェ・タウンという感じで、付近を走行している車もポルシェを多く見かけた。
新しいモデルの車は、やっぱカッコいいねえ~。
実際に運転席に乗り込むことが出来るモデルカーも置いてある。ハンドルを握ることができて、これは結構興奮したな。こういう機会でないと乗れない高級車だからな。
それ以外にも、モニター画面による模擬レース運転走行体験が出来たり、VRゴーグルによる3D体験コーナーがあったりと、来場者が楽しめるような工夫が施されていて、面白かった。
午前中を博物館で過ごし、中央駅に戻って近場で昼食を取った後、ハイデンハイム・アン・デア・ブレンツへ移動。電車で約1時間半。
ハイデンハイム・アン・デア・ブレンツ。
略して「ハイデンハイム」と称することもあるこの市は、正直に言ってそれほど観光的な知名度を有しているわけではない。「地球の歩き方」にも載っていないし、旅行通でもこの市の名前、存在を知らないという人も多いはず。
ただし、海外サッカー好きなら知っている。なぜなら、ここにブンデスリーガ1部チームがあるからだ。
昨年度2部から昇格してきたばかり。通常、昇格組というのは、1部残留が最大の目標になるのだが、ハイデンハイムは23-24シーズンを8位でリーグを終え、残留を果たしたどころか、来シーズンはヨーロッパ・カンファレンスリーグの予選にも出場することが決まった。これは率直に快挙。
そんなハイデンハイムを訪れた理由は、サッカーではなく、音楽祭。
その名を「ハイデンハイム・オペラ音楽祭」(Opernfestspiele Heidenheim)。頭文字を取って、愛称名は「OH!」だそう。
うーん、そのネーミングは、あんまりカッコよくはない(笑)。
いずれにしてもほとんど知られていないと思うが、1964年に創設された、結構伝統あるフェスティバルだ。
公式HPには、「ドイツのグラインドボーンとして知られている」と書かれていたが、それはさすがに「いやいやいや・・・」と、鋭くツッコミを入れずにはいられない。
この日は特に観光はせず、午後3時にホテルに到着後、夜のオペラに備えて休憩した。観光はまた明日に。