2024年7月18日 ハイデンハイム・オペラ音楽祭1 コングレスセンター(祝祭劇場)
ヴェルディ アルツィーラ
指揮 マルクス・ボッシュ
演出 アンドレアス・バエスラー
管弦楽 オーケストラ・OH!
合唱 チェコ・フィルハーモニー合唱団、カペッラ・アクエリア
マーセル・バコニィ(アルヴァーロ)、マリアン・ポップ(グスマーノ)、パク・スンキュ(ザモーロ)、ルーカス・ジーベルト(オヴァンド)、ガブリエル・フォートナス(アタリーバ)、アニヤ・イェルク(アルツィーラ) 他
今年のハイデンハイム音楽祭の上演では3つのオペラが用意されているが、1つは子供向けなので、実質的には2本。「アルツィーラ」と「蝶々夫人」。
私が「ハイデンハイムに行こう!」という決め手になったのが、この日の演目「アルツィーラ」だ。
「それやるか!? ・・じゃあ行くしかねえだろ」みたいな。
調べてみたら、ここハイデンハイム音楽祭は毎年ヴェルディの比較的レアな作品を上演し続けている。ここ数年でも(コロナ期を除く)、「ジョヴァンナ・ダルコ」、「二人のフォスカリ」、「十字軍のロンヴァルディア人」、「エルナーニ」などといった作品を採り上げている。ヴェルディ・マニアなら、ここの音楽祭は狙っていいだろう。
アルツィーラはヴェルディのレア作品の一つだが、「上演レア」にはそれなりの理由がある。
台本や人物設定が唐突で短略的だとか、ヴェルディ自身がこの作品の出来を「イマイチ」と評しちゃったとか・・。
でも、何だかんだ言っても、やっぱりヴェルディ。特有のリズムやメロディーがてんこ盛りに詰まった、誰が聴いても「いかにもヴェルディ」な作品だと思う。
この日は初日プレミエ。さすがに、来場者に東洋人系はまったく見かけない。ほとんどが地元や近郊の人たちなのだろう。
フェスティバル、プレミエということで、ちゃんとドレスアップして来ている人もチラホラ見かけるが、多くの人はカジュアル。こちらドイツも季節が完全に夏となり、最高気温は25度を超えるため、上着を着用せず、半袖の人が多い。
公演の感想だが、想像以上にしっかりとした演奏になっていて、「ヴェルディを聴いたな」という満足感は大いに得られた。
一人一人の出演歌手のプロフィールを確認していないが、ドイツ以外の外国出身が結構混ざっている。
これは何も、フェスティバル主催者がわざわざ海外から招いたわけではなく、ドイツ国内各地の中小劇場に在籍する専属歌手やソリストの構成がそもそも多国籍なので、規制無しで登用していくと、普通にこのように抜擢されてしまう感じなのだろう。
演出は、概ねオーソドックス・タイプ。舞台装置はお世辞にも豪華とは言い難いが、文句などあろうか。ハイデンハイムというローカルな街が開催する音楽祭。ウィーンやミュンヘンなどと比較してはいけないのだ。