ゼンパーオーパーでオペラを見、食事をして心地よい気持ちでホテルに戻る途中、旧市街中心部の建築工事現場を横切った。そこの囲いの壁には工事完成図の絵がデカデカと描かれていた。なんと、ワインヤード形状した現代的都会的な最新のコンサートホールであった。
ドレスデンに近代的なホールが出来る!
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翌日。また移動。毎日移動。慌ただしい。
駅員に直接聞いたり、あるいはドイツ鉄道のHPを閲覧したりして、分かったことがある。
今回のストはだいたい7割から8割の電車がキャンセルになっているが、2~3割の電車は動いていること、運行状況は当日の出たとこ勝負ではなく、ネットなどで事前に調べられること、ただしそれは刻一刻と変わるので常に最新情報が求められること、などだ。
まずドレスデン市内から空港までの足は、Sバーンの代替としてバスが用意されていた。事前に駅員から教えられたとおりのスケジュールで運行したため、問題なく到着し、飛行機にちゃんと乗ることが出来た。
次にケルン・ボン空港からデュッセルドルフまでであるが、空港からいったんケルン中央駅(もしくはケルン・メッセ駅)に移動し、乗り換えてデュッセルドルフに向かう方法と、空港駅からダイレクトの電車を利用する方法と二つあった。両手段とも多くのキャンセルでかなり乱れている。空港駅からダイレクトに行ける方が間違いなく簡単だが、少々待ち時間があり、なおかつ特急電車のため割高だった。私は、この状況下では乗換えはなるべく避けようと判断し、多少の待ち時間と割高料金の方を選択した。
このようにして午前11時半、ようやくデュッセルドルフに到着。
既にほとんどの見どころを回っていたので、旅行前、今回の観光はどうしようかと思案していた。ガイドブック「地球の歩き方」には掲載されていないが、現地の観光案内パンフに「皇帝が築いたという城址の廃墟」の写真が掲載されているのを見つけ、そこに行くことにした。カイザーヴェルトという。中心部からUバーンで約20分。
実際行ってみると、カイザーヴェルトというのは城の名前というより地区全体の名称で、肝心のお城の廃墟がどこにあるのかはよく分からない。辺りに行っても、案内図の一つもない。勘を頼りに探してようやく辿り着いた。
別に、それ程のものではありませんでした(笑)。
なるほど、こりゃ確かにわざわざ案内表示を出すほどのものでもないかもね。
お城への入場はフリー。そもそも係員も誰もいない。
ホテルに戻り、部屋の中で翌日のことを考える。
旅行も終盤。今デュッセルドルフにやってきて、帰りの飛行機はここから出発する。なのに、明日私はそこからおよそ200キロ離れたダルムシュタットでオペラを観ようとしている。その場合、帰国出発の当日にデュッセルドルフへ戻らなければならない。
いずれにせよストライキ実施中である以上、大きなリスクと言わざるをえない。既に記事に書いたとおり、鉄道はいちおう動いている。でも、ケルン空港までのトラブルを思い出せ。あの時、電車は行くはずのものが突然止まったのだ。
悩んだ末、それでもやっぱりダルムシュタットに行くことにした。仮に取り止めても、ホテルは無料キャンセル期間を経過してしまい、全額チャージの段階に来ている。チケット代ももったいない。
そのかわり、何が起きても対処できるように、帰国日は朝イチで行動しよう。午前4時にホテルを出よう。
このように決めたら、翌日のことはいったん置いておき、夜の公演に備えて仮眠した。