また来週火曜日から1週間旅行してくる。ドイツに入り、パリにも行く。
一人で出発するが、現地で待ち合わせを約束しているのが、先輩で私の師匠Kさんだ。今日は親愛なるKさんをご紹介する。
私と全くの同類、同士。クラシックオタク。年に100回以上もコンサート・オペラ会場に出没する。(さすがの私もこれまで年間100回を越えたことは一度もない。)国内だけでは物足りずに良質な音楽を求めて渡欧する。年に4回も5回も。ホントよくまあ、と呆れる(笑)。人のこと言えないが。
そんなKさんは、何と、私と勤務先が一緒なのだ。
ただし、所属が違う。また、これまで一度も同じ部署課所になったことがない。
実は、知り合う前から私はKさんのことを知っていた。
私がしょっちゅう、やれコンサートだ、やれオペラだといって出かけることを知る職場同僚の複数人が、「そういえば、別の所属課所でキミと全く同じようなことをしているクラシック音楽ファンがいるよ」と聞かされていたのだ。
私は言った。「是非紹介してくださいな。知り合いになりたい。だって共通の趣味を持っているのだから。」
その機会が、ある時偶然に訪れた。
私は職場の友人(Kさんとの共通の知人)と、とあるコンサート(※何のコンサートだったかは後記する)に出かけた。会場に向かう途中、乗っていた地下鉄にKさんが偶然乗り込んで来たのだ。友人は言った。
「ほら、この人が例の、話していたKさんだよ。」
私はその場でKさんに「お噂はかねがね伺っています。お会いしたいとずっと思っていたのですよ!」と伝えた。いきなりの初対面でそう話しかけられたKさんは、びっくりしたような顔をしつつも、笑顔で応対してくれた。
こうして顔つなぎができた私は、次に、同じく共通の知人(上記の人とは別)を通して飲み会にお誘いした。(私にとっては飲み会だが、お酒が飲めないKさんにとってはお食事会だった)
それにしても!と私は驚く。
クラシック音楽好きは結構いるが、コンサートに行きまくり、海外にも出かけるというまさに私の同類が、まさか同じ会社内にいるとは!
Kさんとは、いちいち「今度このコンサートに行きませんか?」なんて話し合い、誘い合う必要が全くない。嗜好が一緒なのだ。行動が一緒なのだ。黙っていてもコンサート会場で会うのだ。しかも、「たくさんのコンサートに行くために、一つ一つはなるべく安い席で」という考え方まで一緒だから、例えばサントリーホールだったら、ちょっとP席付近を探せばすぐ見つかる(笑)。
Kさんは熱狂的なワグネリアンだ。だが最近は「R・シュトラウスがいいですねえ!」なんて、私をくすぐるようなうれしいことを言ってくれる。
さて、そんな私とKさんが、今回の渡独計画で完全一致したのが、以下のオペラだ。
2009年1月31日 バーデン・バーデン祝祭劇場
R・シュトラウス バラの騎士
指揮 クリスティアン・ティーレマン
演出 ヘルベルト・ヴェルニケ
管弦楽 ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団
ルネ・フレミング(元帥夫人)、ディアナ・ダムラウ(ゾフィー)、ソフィー・コッホ(オクタヴィアン)、フランツ・ハヴラータ(オックス男爵)、フランツ・グルントヘーバー(ファニナール)、ヨナス・カウフマン(歌手)他
「こんな豪華なバラの騎士、他のどこで見られるというのか! もう、絶対、何が何でも行くっきゃない!」
と考えたのは、同類K氏も同じであった(笑)。
ということで、Kさん、フランクフルトで無事に会えますように!
最後に。
Kさんと初対面した、そのコンサートとは何か。
ギュンター・ヴァント指揮
ハンブルグ北ドイツ放送交響楽団
ブルックナー9番、他(東京オペラシティホール)
私が生涯忘れることの出来ない伝説の公演の一つである。
この公演でKさんに出会えたことも、私は何か運命的なものを感じ、とてもうれしいのだ。