今週末から来週初めにかけて、現地滞在三泊の短期で出掛けてくる。
実は昨年もまったく同じ日程で旅行していた。自分にとってうまく都合を付けやすい時期ということだろうか。
行き先は今回もまたドイツ。ただし、ちょっとマイナーで一般的には馴染みの薄い場所だと思う。エアフルト、マイニンゲン、アイゼナッハといったテューリンゲン州を巡る旅だ。
世界的な歌劇場を訪れ、超一流の指揮者や歌手が出演する公演を鑑賞するのはいつだって心が躍る。
その一方で、地元に根づいた中小の劇場を訪れるのもそれはそれで楽しくて、私は好き。出演者を誰も知らなくても日本ではなかなかやらない作品や大好きな作品をそこで上演するというのなら、何の躊躇もなく喜んで出掛ける。まだ訪れたことがない初めての場所なら、なおさらだ。
鑑賞する演目は、エアフルトでチャイコフスキーの「イオランタ」(コンサート形式上演)、マイニンゲンでR・シュトラウスの「カプリッチョ」。
当初はアイゼナッハでJ・シュトラウスの「こうもり」を観ようと思っていた。ところが同じ日にデュッセルドルフでプロコフィエフの「炎の天使」を発見。作品の魅力に抗えず、そちらに変更した。アイゼナッハは観光オンリーで訪れる予定。タンホイザーの歌合戦で有名なヴァルトブルク城に行ってみるつもりだ。ワグネリアンなら必須の巡礼地だろう。別にあたしゃ自他ともに認めるワグネリアンじゃないけどね。
個人的なハイライトは、知る人ぞ知るマイニンゲン宮廷劇場。
マイニンゲンの人口はたったの2万人。そんな小さな街に劇場があるなんて驚きだ。オペラやバレエ、演劇などの常設アンサンブルを抱える公営劇場としては、おそらくドイツの中でももっとも規模が小さいはず。
しかし、決して侮るなかれ。歴代の音楽監督にはH・V・ビューロー、R・シュトラウスといった名前が連なり、世界の頂点に君臨しようとしている今話題のキリル・ペトレンコもその一人なのである。
ホテルも公演チケットも移動手段もすべて予約手配したのだが、一昨日になってデュッセルドルフからアイゼナッハ経由エアフルト行きの直行の鉄道がキャンセルになったとのメール連絡が入り、水を差された。
いいかげんなイタリアやフランスの国鉄に比べ、以前からドイツ鉄道DBをとても信頼していたが、最近ストだの遅延だのに巻き込まれることが多く、その信頼がグラグラと揺らいでいる。「結局あんたたちも同類か」ってなもんだ。
今年5月のドイツ旅行は、本当に綱渡りだった。そういうのは勘弁してほしい。とにかく無事に順調に回って来られたらめでたしめでたし。
ではまた報告しまーす。