2009年1月17日 日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会 サントリーホール
指揮 アレクサンドル・ラザレフ
漆原朝子(ヴァイオリン)、今井信子(ビオラ)
プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」
モーツァルト 協奏交響曲
プロコフィエフ 交響曲第7番「青春」
今年に入って日本のオケを立て続けに聴いています。
この日はラザレフの首席指揮者就任披露演奏会の一つ。
昨年のゲルギー&ロンドン響に続いてまたもプロコを聴くことが出来てうれしい。全曲チクルスやるようだが、日フィルの方は一挙にではなく時間をかけて採り上げていく方針。ラザレフはプロコの全曲チクルスをやろうと思って首席指揮者を引き受けたらしい。
音楽の友誌のインタビュー(だったと記憶する)で、ラザレフは「ゲルギエフ&ロンドン響のより、絶対こちらの方が良いですよ!」と語っていた。
言うよねぇ~(笑)
そのラザレフ、指揮ぶりが本当にエネルギッシュ。身振りが大きく、各パートにかなりオーバーに合図を出している。結構ユニークで、まるで何かと格闘しているかのようだ。
でもそれでオーケストラの潜在的なパワーを引き出せるのであればオッケーだろう。
「古典」は、そんな身振りの大きさとは裏腹に、余計な贅肉をそぎ落としたシンプルな演奏を心がけているように感じた。だけど、そうやって贅肉を落とせば落とすほど日フィルの素(けっこう演奏技術が怪しい)があらわになる。これは苦しい。なるほど、だから格闘しているかのような指揮ぶりなのか?
続くモーツァルトは素晴らしかった。何と言ってもソロを受け持った漆原さんと今井さんのデュオが美しい。絹のようなモーツァルトだった。
メインの青春は、古典と違ってスケールの大きな音楽づくりでラザレフの寄り切り勝ち。
公演全体としてとても楽しめました。今後のチクルスも行きます。ラザレフさん頑張って!日フィルを徹底的に鍛え上げてくださいな。
なお、お客さんが結構入っていた。昨年のロンドン響は無惨だったのに。プロコフィエフでロンドン響より客が入る日フィル恐るべし。