指揮 シャルル・デュトワ
ピエール・ロラン・エマール(ピアノ)
ラヴェル ピアノ協奏曲
「天下のN響、やるときゃやる」
たしか先月のプレヴィンの時も、同じ文句を使ったような気がする。日本のトップオーケストラと言われている割に、なんだか気合いが入っていない事務的な演奏にしばしば遭遇するので、ワタクシ的には「もう少し頑張りましょう」なN響なのだが、いい指揮者が立つとさすがに違う。
この好調はいい指揮者の時だけなのか、それともずっと持続しているものなのか・・全ての公演に出かけているわけではないのでそこらへんは分からないが、もし全体的に公演の質が上がっているのだとしたら、それは素晴らしいことだ。
国内オケでこういう本格的なショスタコーヴィチを聴けたのは、タコファンにとってまことに嬉しい限り。そりゃさすがにロシアンオケの弦セクションの分厚い響きにはかなわないが、阿鼻叫喚の爆発的なフォルテシモでは身震いが起きたし、逆に氷のような静謐なピアニシモの響きもぞっとするほどだった。
また、ラヴェルのコンチェルトでもショスタコでも、心にしみるコールアングレの名ソロを披露したのが、噂によると多くのファンがいるらしい2ndオーボエの池田昭子さん。指揮者デュトワがカーテンコールで彼女を讃えて起立させると、直ちに拍手が二割増しとなった。
単独で立たせてもらえなかった主席の茂木さん、拍手についての本も出しているご本人にとってやや複雑な心境か??(笑)