クラシック、オペラの粋を極める!

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2017/10/1 チェコ・フィル

指揮  ペトル・アルトリヒテル
スメタナ  わが祖国
 
 
有名なプラハの春音楽祭は、毎年スメタナの命日である5月12日に開幕する。そして、オープニングの演目は、チェコ・フィルによる「わが祖国」と決まっている。
チェコ・フィルにとって、チェコの人々にとって、大切な宝物のような作品なのだろう。
 
この曲を聞けば、なぜチェコの人々がこの曲を大切にしているのか、すぐに分かる。第一曲ヴィシェフラドの冒頭のハープの演奏が聞こえた瞬間、たとえチェコに行ったことがなくても、なんとなく懐かしい故郷のような光景がまぶたに浮かび上がる。
 
曲だけではない。チェコ・フィルも、これまたローカルな味わいの音色を持った、素晴らしいオーケストラだ。
今や世界的に、そうしたローカル色を保持したオーケストラが消えつつあるが、この日の演奏を聴いて、「ああ、懐かしのチェコ・フィルのサウンドがまだ残っているなあ」と感じることができたのは、実に素晴らしいことだった。
 
とても芳醇な音なのだ。チェコがワインの産地なのかはよく知らないが、イメージ的に芳醇なワインのような音。我が祖国の演奏を聴いていると、あたかも「今年もよーく実りました。」と農家の人たちの嬉しい声が聞こえてきそうだった。そんな感慨に耽ることができた、ほんわかと気持ちのいいコンサートだった。
 
 
本当のことを言うと、NHKホールに行こうか、最後の最後まで迷った。
NHKホールの公演は、どうせもう間違いなく、絶対に壮絶な名演になるだろうことは、分かっていた。
ビエロフラーヴェクが亡くなってしまい、聞いたことが無い指揮者に変更になったのだから、なおさらNHKホールに鞍替えしてもよかった。
 
NHKホールに鞍替えするということは、チェコ・フィルのチケットをドブに捨て、新たなチケット代を出費することを意味する。それは、やっぱり無駄なことだし、亡くなったビエロフラーヴェクにも申し訳ない気がした。
最終的にチェコ・フィルにしたことが最善だったかどうかは分からないが、上に書いたとおり満足したのだから、それで良しとしよう。
 
あのね、言っておくけどさ、俺っちミュンヘンでフォークトがジークムントを歌ったワルキューレ、劇場版をしかと観ているんだ。後悔なんてしないぜー。へっへーだ。
え? その時の指揮者は誰かって?
いや・・その・・・ペトレンコじゃなくてナガノさんなんですぅ・・。
ううっっっ・・・。