クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2017/6/30 都響

2017年6月30日   東京都交響楽団   東京オペラシティコンサートホール
指揮  大野和士
アルディッティ弦楽四重奏団
細川俊夫  弦楽四重奏とオーケストラのためのフルス「河」
スクリャービン  交響曲第3番「神聖な詩」
 
 
今回のコンサートは、ちょうど一年前、同じくピーター・グライムズ「4つの海の間奏曲」や法悦の詩を並べたプログラムの続編だ。音楽監督として、任期中に自分が振る全体的なプログラムの構成や流れを常に念入りに考えているところが、いかにも大野和士らしい。
 
スクリャービン交響曲は、1番から3番、そして法悦の詩も含め、どれも名曲だと思う。チャイコフスキーのようなスラブのローカル色、ショスタコーヴィチのような時代の反映といった作法から少し距離を置き、純粋に近代化が図られた管弦楽法の響きを楽しむことが出来る。
今回の3番でも、大野氏は各パートを精密に導き出し、曲の整理は整然かつ明解でありながら、クライマックスでは全体を豊麗に鳴らして圧倒的に築き上げた。
 
と、このように書けば、「文句なし」と言いたいところなのだが・・・。
 
せっかく華麗なサウンドが響いているのに、その響きに「包まれていない」感に苛まされた。「なんか、向こうで鳴ってんなあ・・・」みたいな疎外感。
いったいなぜ?? 席が悪かったのか、仕事で疲れていて自分の感度が鈍っていたのか・・・。
これはちょっと悲しかった。
 
細川の作品も、現代音楽が苦手な私にとっては、苦痛でしかない。お化け屋敷のBGM、蛇や害虫が徘徊するような音。ああ嫌だ。
 
現代音楽を真ん中のプログラムで聴くと、大抵においてメインの曲がめちゃくちゃ美しく聴こえるという効果に浴するのだが、ひょっとして今回は気分の萎えを引きずってしまったのだろうか・・・。