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2008/11/12 コンセルトヘボウ管

2008年11月12日 NHK音楽祭 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
NHKホール
指揮 マリス・ヤンソンス
独奏 ジュリアン・ラクリン(ヴァイオリン)
ブラームス ヴァイオリン協奏曲
ブラームス 交響曲第3番
R・シュトラウス ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら


 世界のオーケストラランキングを決めるとしよう。ウィーンフィルベルリンフィルが上位2つに来るのはまず間違いない。
 第3位をシカゴ交響楽団か、このコンセルトヘボウ管弦楽団か、ドレスデンシュターツカペレあたりで争うというところだろう。それくらいコンセルトヘボウの人気と評価は高い。思い入れの大きいファンや評論家などは、上位2つのオケを凌いで1位2位に挙げる人もいるくらいだ。

 私自身は、というと、コンセルトヘボウを世界のトップ3に入れるというのはちょっと過大評価の気がするのだが・・・。

私が感じるコンセルトヘボウ管のイメージは「お上品」だ。良い意味でも悪い意味でも。お上品なコンセルトヘボウ管の指揮を、お上品と形容するのはいかがなものかというヤンソンスが担っているというのがなんとも可笑しい。

 ただ、世界有数のオーケストラであることには全く異論がない。特に木管セクションの上手さは格別だ。
 ブラームスヴァイオリン協奏曲第2楽章冒頭のオーボエのソロは、はっきり言ってヴァイオリンソロを凌駕していたし、交響曲第3番でも、木管の柔らかい響きがあたかも曲全体を支配し包み込んでいるかのようだった。
 また、メインのティル・オイレンシュピーゲルが、これほどまでに完璧に整備されて演奏されたのを私は聴いたことがない(もちろん、生で、ということ)。

 そういう意味では素晴らしい公演だったのだが・・・聴衆の幸せな興を冷ませた独りよがりなフライングブラボーは残念だった。この日はブラボーだけでなく、無神経な拍手、無神経な咳が容赦なく演奏が終わった瞬間に飛び交って、余韻をぶち壊した。頻繁にコンサートに出掛けていると、しばしばこういうことに遭遇する。ため息を付くしかないが、それにしても何とかならないのだろうか。