2008年11月13日 エヴァ・メイ&アントニーノ・シラグーサ デュオリサイタル 東京芸術劇場
エヴァ・メイ(ソプラノ)
アントニーノ・シラグーサ(テノール)
パオロ・バッラリン(ピアノ)
ドニゼッティ ドン・パスクワーレ、連隊の娘、愛の妙薬より アリア
ベッリーニ 清教徒、夢遊病の女より アリア 他
楽しかった一夜であった。全ての聴衆が幸せな満足感に浸りながら笑顔で帰路に向かったことであろう。
なぜそんなに楽しかったかというと、当たり前だが出演者のご両人が最高に楽しませてくれたからである。堅苦しさなし。まず笑顔。それから仕草。ご両人は終始サービス精神に満ち溢れ、愛嬌を振る舞う。
「ようこそいらっしゃいました。心から歓迎します。私たちのリサイタルを楽しんでください!そのために精一杯頑張りますよ!」そんな感じ。超一流のエンタテイナー。
こういうのをやらせたら、イタリア人はほんと天下一品だ。太陽のごとく明るくて楽しいラテンの気質。
こういう公演は、「音楽の本質たるや何か」なんて難しいことを考えなくてよい。出された料理を、ただ「うめえ、うめえ」と食べていればいいのだから極楽だ。だから私も音楽的にどうだったとか、歌唱のテクニックがどうだったか、なんてことは書くつもりもない。どうでもいいんだな、そんなことは。
それと、こういうリサイタルで何が楽しみかというと、アンコールである。オーケストラコンサートで、「そんじゃ、ま、最後に軽く一曲、5分くらいの小品を」とはわけが違う。
予め発表されている予定プログラムが全て終わったのは午後8時40分。(開演午後7時)どう考えてもこれで終わりってことはないでしょう。当然続きがある。むしろここからがお楽しみ。さてさて、何をやってくれるの?聴いている側もワクワク。
正確に全部で何曲歌ったかわからなくなったが(6曲?7曲?)、全て終了したのは午後9時20分だった。40分もアンコールの時間があったということ。
つまり、だ。
もう、アンコールを歌うことは最初から織り込み済みなのね。プログラムは、前半は曲目を事前に発表、後半は「当日のお・た・の・し・み!」って書いてもいいわけだね。
アントニーノ・シラグーサは、今年3回も来日した。去年も来たし、また来年も来る予定。いや~、ありがたいね!うれしいね。