クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2011/5/7 ブンデスリーガ

イメージ 1
 
 
イメージ 4
 
 
 
2011年5月7日  ブンデスリーガ  フランクフルト・ヴァルトシュタディオン
アイントラハト・フランクフルト vs 1FCケルン
 
 
 スイスに乗り入れているドイツ新幹線ICEでバーゼルからフランクフルトまで約3時間。正午にフランクフルト中央駅に到着すると、駅構内やその周辺には武装警官が多数配備され、物々しい雰囲気になっていた。なんだなんだ!? 事件か?テロか?要人警備か?
 違います。本日はフットボールの日なんです。ここフランクフルトでブンデスリーガの試合が行われるんです。
 
 たかだがサッカーの試合に警察が大挙出動して警備する、この異様な光景はニッポン人にはなかなか理解出来ないよなー。我々にとってサッカー観戦は単なる娯楽でしかないもんなー。
 
 だが、ここヨーロッパでは違う。サッカーではなく、フットボールだ。サポーターにとってフットボールとは都市間の優劣とプライドを賭けた仁義無き戦いである。一時期のようなフーリガン騒動は減りつつあるものの、サポーターが暴徒化する危険は常にあるのだ。
 ましてやこの日は、リーグ戦で熾烈な二部降格争いを展開中のフランクフルトとケルン。両方ともお尻に火が付いて、かなりヤバい状態である。
 
 ところでこの両チーム、共にドイツでは伝統ある名門だ。私も、まさか降格争いの試合を見ることになろうとは思いも寄らなかった。優勝争いならともかく下位チーム同士の試合じゃあなあ、イマイチ盛り上がらない・・・と思いきや、とんでもない!絶対に負けられない試合、なんとか一部に踏み留まろうと必死で、チケットはなんとソールドアウト(私はかなり事前にインターネットでチケット入手しました)。サポーターの連中の目は相当血走っている。こりゃ今日は荒れるとみた。
 
 スタジアムに向かう道すがら、かつてフランクフルトに在籍した某日本人選手のレプリカユニフォームを着たサポーターを発見。おもわずその人の背後に回りこんで、こっそり写真を撮ってしまった。すごいねえ、いるんだねえ、こういう奇特な人(笑)。
 
イメージ 2
 
 スタジアム内では、やはりというか、殺伐とした雰囲気。試合前、ゴール裏では発煙筒が焚かれて炎上。爆竹がけたたましく鳴り響く。人間は火を見ると闘争本能にスイッチが入る。
 
イメージ 3
 
 ところが。
 肝心のゲームがどうにもこうにもしまらない。試合が始まってすぐに低レベルであることに気がつく。展開がスローで、果敢にスペースに走り込むわけでもなく、足元でボールをもらっては次にパスを出す所をキョロキョロ探している。なんだこりゃ!?あかん~。なるほど下位をさまよっているわけだ。これだったらJリーグの首位争いのほうが面白いかもね。
 
 ケルンには日本人選手が在籍している。サンフレッチェ広島から移籍した槙野。残念ながらずっとベンチで出番なし。そのケルンを指揮している監督の姿を見てビックリこいた。どこかで見たことあると思ったら、なんと、昨シーズンまで我らが浦和レッズを率い、全くいいところなくさっさとお払い箱になったフォルカー・フィンケ翁ではないか!?あれ?フィンケがケルンに行ったことは知っていたが、たしかゼネラル・マネージャー職じゃなかったっけ??いつの間に現場に??
日本に帰ってから調べて分かったことだが、ケルンは成績低迷を理由にこの試合の前に監督を解任、急遽GMのフィンケにシーズンの残りを委ねたらしい。
それにしても、まさかこんなところでフィンケを見るとはね。レッズを低迷させた張本人なんて別に見たくもなかったけどね。ついでにそのフィンケがドイツから浦和レッズに引っ張ってきたサヌという選手もケルンに戻っていて、この日途中出場で出てきたのは笑った。いいってば、別にオレに気を使わんでも。
 
もう一つ興味深かったこと。
ブンデスリーガは、試合中にスタジアムのオーロラビジョンで、同時刻に他会場で行われている試合の経過を教えてくれる。得点が入るごとにそのゴールゲッターの名前と共に表示アナウンスされるのだ。後半だったが、シュトゥットガルトで点が入ってフランクフルトのスタジアムに「OKAZAKI」の名前が躍った。「おお~!!岡崎、やったじゃん!」このゴールが彼にとって記念となるブンデスリーガ初得点だった。
 
試合はアウェイのケルンが先制し、ホームのフランクフルトは大した反撃も出来ないまま、後半ロスタイムにPK取られて万事休す。0-2の完敗。ひでえ。
サポーターは収まらない。当然だろう。ものすごいブーイングの嵐。怒りを抑えきれない何人かの連中がフィールドに強行突入しては警官に取り押さえられる。さらには再び発煙筒を炊いてフィールドに投げ入れ。すかさず警官がゴール裏を取り囲み、まさに一触即発状態。
「うっひょ~、こりゃやべーぞ、面白いぞ、うっひょっひょー!」と面白がって見ていたが、いつこちらに飛び火して自分も巻き込まれるか分からない。以前私はローマでの試合で、サポーターと警官のトラブルに巻き込まれて足元で火炎瓶が爆発したことがある。こんなところで怪我をしたら大変だし、だいいちあたしゃ夜はコンサートがあるんでね。
 ということで、もうちょっと高みの見物をしていたかったが、後ろ髪引かれつつスゴスゴと退散し、ホテルに戻りました。
 
 結局アイントラハト・フランクフルトは二部に降格してしまった。ケルン戦に勝っておけば、ね。あの試合がヤマだったですな。