クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2023/5/27 メンヘングラードバッハ(ブンデスリーガ)

ライプツィヒを離れ、デュッセルドルフに移動した。
今回の旅行の実質的スタートがここデュッセルドルフだったから、ぐるっと一周して戻ってきた感じ。旅行も終盤。既に「マーラー5公演の鑑賞」というハイライトを終えたこともあり、若干テンションが落ち着いてしまっているが、あと2公演とプラスアルファが残っている。完結まで、もう一頑張りだ。

この日のデュッセルドルフ(ライン・ドイツ・オペラ)での夜のオペラ鑑賞は、マスネ作曲「エロディアード」。
だがその前に、プラスアルファ。
本日は土曜日。そう、ブンデスリーガの日。つまりサッカー観戦というわけだ。


2022-23シーズンの最終節。
今シーズンのブンデスリーガは、優勝争いがこの最終節までもつれた。前節を終えた時点で首位に立っていたのはボルシア・ドルトムント。これを2ポイント差でバイエルン・ミュンヘンが追う展開。バイエルンは10連覇中の絶対王者だが、久しぶりにドルトムントが覇権を奪還するチャンス。勝てば文句なしの優勝。中位のマインツ05をホームで迎え撃つ。ドルトムント優位は、誰がどう見ても揺るがないはずだった。

で、私が観戦したのは、優勝争いとは全然関係ないボルシア・メンヘングラードバッハ対FCアウクスブルク。11位対14位。傍目からすれば、どーでもいい試合(苦笑)。

そりゃね、あーた、ドルトムントバイエルンの試合を観られりゃ、言うことなしだよ。
でもさ、一見さんはどうしようもなくチケットが取れないんだよ。
特に、この日のドルトムント戦、ブラックマーケット価格は、30万円とも50万円とも囁かれた。ドルトムントにとって、11年ぶりの優勝のチャンスだったのだから、そりゃ高騰するわな。

そもそも本来の目的は、夜、デュッセルドルフでのオペラ鑑賞なわけだから、私には最初からボルシアMG戦の一択だった。メンヘングラードバッハはデュッセルドルフから電車で約20分。この試合が「サッカー観てからオペラ」が可能な‘唯一の’カードだったのである。
会場であるボルシアパルク・シュタディオンを訪れるのは2度目。なので、行き方で迷うこともない。


「どーでもいい試合」って上に書いたけどさ、それはあくまでも傍目の上で。
スタジアムに足を運ぶ地元の熱狂的なサポーターにとっては、すべての試合が絶対に負けられない真剣勝負。この日の観客動員数は5万超の満員。全然消化試合じゃない。ものすごい熱気、そしてサポーターの声援のド迫力。


日本では我らが浦和レッズの応援が有名。赤さんチームサポーターの中には「熱烈さは世界のどこにも負けない!」と息巻いている人もいるが・・・ハッキリと申し上げましょう、全然負けてます。もし真剣にそう信じているのなら、あなたは井の中の蛙です。百聞は一見にしかず。こっち来てみんさい。

ところで、ボルシアMGにはヤーパニッシェ・シュピーラー、日本代表の板倉滉選手がいる。この日もスタメン、そしてフル出場。頑張っていました。

こんなユニ着たサポーターも、会場でたくさん見かけました。

試合は2:0でメンヘングラードバッハの鮮やかな勝利。おめでとう、サポーターの皆さん。


さて、ファンやサポーターたちは、目の前で繰り広げられている試合で地元チームを応援しながらも、やっぱり優勝の行方、他会場の結果が気になって仕方がない。観戦しつつ、手に握るスマホからの情報収集に余念がない。また、場内のオーロラ・ヴィジョンでも、他会場の途中経過が逐一報じられる。

前半途中経過その1、ドルトムントマインツ、0:1。
会場がざわつく。
前半途中経過その2、ドルトムントマインツ、0:2。
会場がどよめく。

私もびっくりだ。おいおい、嘘だろ、ドルトムントどうした?? いったい何が起こってる?

試合終了。ドルトムントマインツ、2:2。最後の最後で追い付いたが、逆転できなかった。
そしてもう一つの会場、ケルン対バイエルン、1:2。
その結果、ドルトムントバイエルンが勝ち点で並んだが、得失点差でバイエルンが逆転優勝、11連覇達成。

あっちゃー、ドルトムントやっちまったな~。

この日の夜と翌日の朝のテレビニュース(現地)は、バイエルンの優勝とドルトムントのまさかの奈落への転落事故の件で持ちきりだった。

実はもう一つ、現地のニュースで驚いたこと。
バイエルンが奇跡の逆転優勝を遂げた翌日。そのバイエルンのCEOであるオリバー・カーンサリハミジッチSDが電撃解任・・・。

なんとまあ、えげつない。