クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

この秋のウィーン・フィル

 今日はお仕事を休みました。用事があったから。
何の用事かって?決まってるじゃん、この秋来日公演を行うウィーン・フィルのチケットを取る用事だよ。本日はサントリーホールウェブ登録会員先行販売日。
 
そんなことで仕事を休むのか、そんなことで仕事を休めるのかって? まあ、いいじゃんか(笑)。許せ。それはとりあえず横に置いておこう。問題は別だ。
 
つい数年前まで、ウィーン・フィルのチケットを取るのは至難の業だった。世界最高のオーケストラが世界最高の指揮者と共に来日する公演は、クラシックファンなら誰もが聴きたいスペシャルイベント。また、「普段コンサートにはあまり出掛けないけど、世界最高のウィーン・フィルなら聴いてみたい」とか「私たちお金持ちでございます、セレブでございます、高貴な趣味を持っているざます」といった人達までもが寄ってたかって来たため、とにかくチケットを取るのが大変。どの公演も即日完売で、まさにチケットはプラチナペーパーだった。
 
私はかつて、東京公演のチケットが取れなくて、仕方なく京都公演まで足を運んだ経験がある。(旅行も兼ねたので、それはそれで楽しかったが。)
チケットの獲得はいつも臨戦態勢。一般発売の前の先行抽選の際には、6~7人の友人や知り合いに声をかけて名前を借りて申し込み、それでもダメなら一般発売日当日の壮絶な電話かけまくり作戦決行、それでもダメなら最悪ネットオークションでプレミエアムを払って・・・と、本当に大変だった。
普段はなるべくたくさんの公演に行くために各公演では安いチケットを狙っているのだが、ウィーン・フィルに関してはそんな贅沢は言ってられず、「S席でもいい、とにかく取れさえすればいい」という感じだった。
 
やがて、日本は景気の長期低迷期に突入する。趣味のクラシックのコンサートに大枚を注ぎ込む御仁は確実に減った。
 
 ということで、最近ウィーン・フィルのチケットが売り切れない。信じられないことだ。
 また、かつてS席やA席をやっと入手という感じだったのに、今や頑張れば最低席が手に入る。これも信じられない。
 
 今回も、難なくD席をゲットした。そりゃもちろん仕事を休んで発売時刻と同時にPCに向かって頑張ったのだから「楽勝」というわけでもないのだが、「あのウィーン・フィルのチケット最低ランク席を難なくゲットできるなんて・・」と、なんだか不思議な気分だ。喜んでいいのか悪いのか分からない。
 
 指揮者がイマイチ魅力がないというのもあるかもしれない。もはや、「ウィーン・フィルだったら指揮者は誰もいい」という時代は終わった。かと言って、往年のカラヤンバーンスタインクライバーのようなカリスマは現在世界に見当たらず、かろうじてビッグネームと呼べる巨匠もほんの一握り。
 
チケットが取れないのは勘弁して欲しいが、でもやっぱり日本のクラシックコンサート界が活況を呈してほしいことは切に願う。そうじゃないと、本当に来てくれなくなっちゃうよ。「金の切れ目が縁の切れ目」になりそうで怖い。
 
 せめてウィーン・フィルくらい、完売御礼にしましょうよ。これからも来てもらうために。
 
 でも、やっぱりエッシェンバッハじゃ、無理だろうなー(笑)。