クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2010/4/25 新国立 愛の妙薬

2010年4月25日  新国立劇場
ドニゼッティ  愛の妙薬
指揮  パオロ・オルミ
演出  チェーザレ・リエヴィ
ジョセフ・カレヤ(ネモリーノ)、タチアナ・リスニッチ(アディーナ)、与那城敬(ベルコーレ)、ブルーノ・デ・シモーネ(ドゥルカマーラ)  他
 

 一緒に行った友人Oくんはご機嫌だった。「やっぱりイタリアオペラはいいねぇ!」
 新国立はワーグナーが2本続き、彼にとっては、重々しく険しかった世界にようやくからっとした南欧の陽光が差したというところか。
 
 重々しく険しいオペラが好きな私も、別に否定はしません。イタリアオペラ特有の明るくて親しみやすい旋律に身を委ねる楽しさもまた格別なり。
 
 トーキョーリングでは、演技や装置の一つ一つに「これはいったい何?どういう意味?」と一生懸命頭の中を巡らしていたが、愛の妙薬ではそんなこと必要なし。
 Oくんが「緞帳に描かれたアルファベットの羅列はきっと何か意味があるんじゃないの?」とか「アディーナのヘアスタイルが何となくモンロー・マドンナ風だったけど、意図があるのかなあ?」と聞いてくるが、私はぶっきらぼうに答える。「別に、なあ~んにも意味ないんじゃない??(笑)」
 
 もちろん演出家だってそれなりに頭をひねっているわけで、アディーナの大好きな本を舞台の衝立装置に仕立て、これを動かしながら「このお話は、所詮は『本』の中の架空の物語ですなのですよ」というメッセージを観客に伝えている。登場人物の衣装やかつらを思い切りカラフルにしているのも、要するにメルヘンだということ。
 
 そこまで分かったら、あとはもう音楽に浸って、歌手達の歌いっぷりを楽しめばそれでよし。
 
 ネモリーノのジョセフ・カレヤ、ようやく生で聞くことができました。明るく伸びやかな声で観客を魅了。ただ、役作りにおいて「二枚目なの?三枚目なの?どっち?」って感じでやや中途半端だったのが残念。
 奥様のリスニッチはまあまあ、日本人の与那城さんは健闘、ブルーノ・デ・シモーネはさすが!というところでした。
 
 Oくんの指摘のとおり、アディーナのヘアスタイルが確かにモンロー・マドンナ風だったが、それよりもわたくしはドゥルカマーラ商店の女性のお手伝いさんお二人の笑顔とお色気に思わず目が行ってしまいました。すみません(笑)。