
2025年7月14日 ディアナ・ダムラウ 歌曲リサイタル
(ミュンヘン・オペラ・フェスティバル3) ナツィオナルテアター(バイエルン州立歌劇場)
ディアナ・ダムラウ(ソプラノ)、ヘルムート・ドイチュ(ピアノ)
「Al amor – auf die Liebe!」(愛について)
「Eine Reise durch den europäischen Liederkosmos」(ヨーロッパ歌曲の小宇宙への旅)
シューマン、レスピーギ、ロッシーニ、ドビュッシー、ドゥパルク、グラナドス・・・etcの歌曲から
14年ぶりにダムラウを聴く。前回は2011年、メトロポリタン・オペラの来日公演「ランメルモールのルチア」であった。
14年ぶりかぁ・・・。結構久しぶりだなあ。
一流歌手であることに疑いの余地はないが、オペラの世界に関して言えば、微妙というか難しい立ち位置にいるダムラウ。
本人は自分の声質や能力を冷静に分析した上で、どちらかというとベルカントなどイタリア物を志向していると見られる。
だが、そこに「ドイツ人」というレッテル、見えざる壁が立ちふさがる。
イタリア・オペラを主戦場とするソプラノ歌手は、本国イタリアだけでなく世界中にいっぱいいる。そこにドイツ人が食い込んでいく難しさ。目指しているものと求められるものとのギャップ・・・。
そうした立ち位置にいるオペラから一転して、歌曲リサイタルになると、今度は逆に持ち味のオールマイティさが武器になる。バラエティ豊かなプログラム。ドイツ、イタリア、フランス、スペインという順番での歌曲の配置。多種多様への対応力を見せつけるダムラウのしたたかな戦略がプログラムに見え隠れして、実に興味深い。
久しぶりのダムラウの歌唱は、以前と変わりなく、明るくてキラキラしていた。おそらくダムラウ自身の音楽に向き合う姿勢だと思うが、どんな作品に対しても丁寧に色付けをし、心を込めて歌うので、とにかく表情が豊か。ここで言う表情とは、音に込められた表情と、実際のダムラウの顔の表情の両方が含まれる。そういう歌を聞くと、本当に心が安らぐし、癒やされる。
おかげ様で、イライラさせられたポンコツ鉄道のこともすっかり忘れることが出来ました(笑)。