クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2015/12/20 ガランチャ・リサイタル

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
旅行記・鑑賞記の続きです。
 
 
マチネーのオペラ「ファウストの劫罰」(バスティーユ)は、午後5時半に終演。ダブルヘッダーとなるソワレのガランチャ・リサイタル開演は午後8時のため、いったんホテルに戻った。
ここで、夕食について思案。
昼食は、午後のオペラで眠くならないように、早めにしかも軽く済ませていた。このため、お腹が空いている。
だからといって、ここでガッツリ食うわけにはいかない。最終的にはリサイタル終了後にゆっくりいただくとして、とにかく今はなんでもいいから軽くお腹に入れたい。
 
こういう時は、ファーストフードに限る。ホテルの近くにあった、世界のどこにでもあるコンビーニエントなハンバーガーレストラン「M」。これ幸いとばかり駆け込んだ。
ところが・・・。
混雑している店に入ると、いきなり「入り口にある注文機で事前オーダーしてください」だと。マジか。(こんなの日本にある??)
このマシーン、わかりにくい。いや、慣れれば簡単なのかもしれないが、初めてということもあり、戸惑ってうまくいかない。
後ろに並んでいる奴の「早くせんかい」というプレッシャーが、ひしひしと背中から伝わる。
 
やめました。あえなく退散・・。
そんな馬鹿な・・。たかがマックのハンバーガー1個が買えないとは!? クソー、ありえん~。
屈辱にまみれつつ、別の店でピザパンを購入。これがマズかったのなんのって・・・。
 
・・・あ、もうどうでもいい話ですね。長々とすみませんでした。
 
 
2015年12月20日  エリーナ・ガランチャ リサイタル   パリ・オペラ座ガルニエ宮
エリーナ・ガランチャ(メゾ・ソプラノ)、マルコム・マルティノー(ピアノ)
ブラームス、デュパルク、ラフマニノフの歌曲集より
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リサイタルだが、れっきとしたパリ・オペラ座の主催公演なのだ。オペラ、バレエ、オーケストラコンサート等と並ぶシーズンプログラムの一環で、今シーズンは更にルネ・パーペディアナ・ダムラウルネ・フレミングら一流歌手のリサイタルが続く。さすがはパリである。世界中のオーケストラや器楽奏者がやってくる東京も、ことオペラをはじめとする「歌手の公演」に関して言えば、欧米に全然かなわない。
 
そのガランチャも、2003年の新国立劇場ホフマン物語」以降、来日の機会に恵まれない。将来は別として、「今、日本で聴くことができない歌手」の一人だ。私自身も4年前、デュオ・リサイタル公演(バーデン・バーデン)のチケットを買ったのに、ご懐妊のため降板となってしまった苦い経験がある。
 
颯爽と舞台に登場したガランチャ。相変わらずの美貌。ステージが一瞬にして華やぐ。これで得意のオペラ・アリアを披露してくれたら、さぞや盛り上がったことだろう。
しかし、プログラムは歌曲。
落ち着いた佇まいの中、ガランチャは一曲一曲音楽に集中し、声の旋律を大事にしながらも、ピアノ伴奏との溶け合わせに余念がない。また、ブラームス、デュパルク、ラフマニノフという、それぞれの音楽特性を活かすべく、歌い方に工夫を施し、異なるニュアンスを創出。言語の違いによる発音にもかなり神経を使っている様子が伺えた。
 
プログラムの中では、特にデュパルクが素晴らしかった。曲自体がフランス物らしく彩りに満ちているので、ブラームスラフマニノフに比べて鮮やかさが際立っていた。
 
ガルニエ宮の特別な空間に身を置き、素晴らしい歌唱に酔いしれながら、私は若かりし頃の彼女の舞台姿を思い出す。
新国立劇場のニクラウス、2004年ウィーンでの「ファルスタッフ」メグ、2006年同じくウィーンでの「フィガロの結婚」ケルビーノ・・・。
 
あの頃のガランチャは、とにかく初々しかった。
今、目の前にいる彼女は、神々しささえ漂うディーヴァ。
 
年月というものは、才能ある歌手の成長を促進させるカンフル剤になるのだなあ・・。
 
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