指揮 オレグ・カエターニ
ブリテン ロシアの葬送
タンスマン フレスコバルディの主題による変奏曲
カエターニ。鬼才と呼ばれる指揮者イーゴリ・マルケヴィチの息子。
そうしたこともあって、カエターニのタクトとその音楽に大いなる期待を抱いて会場に出掛けたわけであるが、実際に魅せられたのはオーケストラのひたむきな演奏だった。
もちろん都響の演奏能力の高さは良く知っているつもりだが、改めてその優秀さに舌を巻いた。特に弦楽器群の一糸乱れぬ統制は見事としか言いようが無い。
カエターニのショスタコは、もっと熱さや激しさが前面に出るかと思ったが、意外とクール。冷徹かつ厳粛な雰囲気がよく出ていたのは、彼自身のロシアの経験が活かされているのだろうか。ラザレフの解釈とは対極を為すが、それはそれで良い。