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N響の2000回記念公演

N響定期演奏会が2023年12月の公演をもって通算2000回を迎えるとのこと。第1回が1927年だというから、およそ100年をかけての節目ということで、築き上げてきた伝統の重みが伝わってくる。

私は第1000回の記念公演を鑑賞した。1986年10月。指揮はサヴァリッシュで、演目はメンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」だった。
ソリストルチア・ポップ、ペーター・ザイフェルト、ベルント・ヴァイクルら豪華な歌手を揃えたあたりは、N響というよりサヴァリッシュの顔が物を言ったおかげといった感がしないでもないが、一つの金字塔を打ち立てたことは間違いがなかった。

「果たして次の2000回はいつになるのかな。その公演も果たして元気に行けるのかな。」
あの時、そう思いを巡らしたことをはっきり覚えている。今の調子ならなんとか元気に行けそうな気配。それはそれで何よりだが、40年近くもずっとこうやってコンサート通いを続けているというのも、感慨深いものがある。N響の歴史に多少なりとも寄り添い、共に歩んできたことは、一人勝手に誇りたいと思う。


さて、その記念すべき第2000回公演だが、興味深い企画が発表された。
なんと、3つの候補作品を挙げ、その中からファン投票で選ぶ、というものだ。
それ自体はなかなか面白い企画だと思うが・・・候補作品を見て笑ってしまった。

・F・シュミット  オラトリオ「7つの封印の書」
マーラー  交響曲第8番「千人の交響曲
シューマン  オラトリオ「楽園とペリ」

いやいや、いいとは思いますよ。どれも記念公演にふさわしいんじゃないですか。
だけどねぇ。
はっきり言うけど、結果はもう誰の目にも明らかっしょ。
一般のファン投票だぜ!? マニアや珍しいモノ好きの一票は決して多勢を占めることはない。あまりにも出来レースで、これじゃまったく投票したい気にもならん。

この3つ、たぶんF・ルイージの選定だと思うが、事務局の誰かが「これ、結果は明らかですよ。いいんですか?」と一言忠告しなかったのか。
あんたら、まさか本気で「さてさて、どれが選ばれるかな~?」と思ってるわけないよな?
思ってるとしたら、相当の間抜け。

それともなにかい、何か別の意図、企みでもあるのかい。
ここでひとまず布石を打っておいて、いつかそのうち別の機会で公演の演目に採り上げて、「ああ、あの時に漏れたやつ!!」みたいな。
それが魂胆か。それなら分かるけどな。

まあいい。令和5年12月、N響の記念すべき第2000回公演は、「千人」。
久しぶりに大合唱を轟かせて、コロナの終焉を宣言してくれ。